施工概要|瓦撤去後の下地点検から防水処理までの重要工程
大阪府吹田市にて実施した屋根葺き替え工事の中で、今回は屋根下地の補修と防水シートの施工について詳しくご紹介いたします。瓦屋根を撤去した際、既存の下地材に大きな劣化や歪みが見られたため、下地補強を徹底的に行い、新しい屋根材「横暖ルーフ」が本来の性能を発揮できるような下準備を行いました。屋根工事は上に葺く材料ばかりに注目されがちですが、実はこの下地処理こそが、耐久性や防水性に直結する最も重要なポイントです。
今回の現場では、旧下地がスギ板によるバラ板構造であったため、経年劣化による反りや隙間が目立ちました。このままでは新しい屋根材の設置が不安定になるため、まずは既存のバラ板の状況を確認し、必要に応じて補修・取り替えを行いました。その後、構造用合板(コンパネ)を全面に増し張りし、屋根の面をしっかりと整えました。下地の強度が確保されたことで、次工程である防水シートの施工がスムーズに行える状態に整いました。
バラ板(旧下地)の点検と補修作業の実際
瓦を撤去したあとに露出したのは、細かな木材を並べて形成されたいわゆる「バラ板」と呼ばれる旧来の屋根下地でした。吹田市のように築年数が経っている住宅では、こうしたバラ板の屋根が多く、長年の湿気や雨水の影響で反りや隙間、腐食が発生しているケースが少なくありません。今回の現場でも、複数の箇所でバラ板の浮きや亀裂が確認されました。
このような状態では、屋根材をしっかり固定できず、将来的な雨漏りのリスクが高まってしまいます。そのため、劣化の激しい箇所については一部交換し、全体に補強を加えることで、下地としての機能を確保しました。職人の目で1枚1枚を確認しながら作業を進めるため、手間はかかりますが、こうした地道な工程が屋根全体の安定性につながります。バラ板の補修を行うことで、屋根面のゆがみが解消され、次の合板施工がより正確に行える状態となりました。
構造用合板(コンパネ)での増し張り補強作業
補修を終えたバラ板の上からは、構造用合板(いわゆるコンパネ)を全面に増し張りする作業を実施しました。この作業の目的は、屋根全体の強度を向上させるとともに、屋根材を均一に美しく施工するための基盤づくりです。今回使用した構造用合板は耐水性に優れた厚みのある12mm品で、屋根全体にしっかりと固定しました。
合板の接合部には隙間ができないよう注意しながら、ビスで一定間隔ごとに留め付けることで、強固な下地が形成されました。また、屋根の勾配に合わせてカットを調整し、谷部や端部もぴったりと合うよう加工を行いました。この工程では、屋根の面がきれいに整えられるため、後に施工する防水シートの密着性も高まります。仕上がりの美しさはもちろん、耐久性にも直結する大事な工程です。
防水シート(ルーフィング)施工|雨漏り防止の最前線
構造用合板の増し張りが完了したら、次はいよいよ防水シート(ルーフィング)の施工へと進みます。今回使用した防水シートは、信頼性の高い「タディスホワイト(TADIS WHITE)」という高性能ルーフィング材で、耐久性・防滑性・施工性に優れており、近年多くの現場で採用されている人気の素材です。
施工時は屋根の下部から上部へと順に重ねながら張っていき、水の流れに逆らわないように施工することが重要です。特に軒先・谷部・棟部など、水が集まりやすい箇所には二重貼りを行い、雨水の侵入を徹底的に防ぐ処理を施しました。また、屋根の重ね代や釘穴にも防水テープ処理を加え、見えない部分の防水処理にも細心の注意を払っています。
この防水層こそが、万が一表面の屋根材にトラブルが起きた際にも建物内部を守ってくれる“最終バリア”となります。山田興業では、この工程においても手を抜くことなく、耐久性と安心を最大限に高める施工を心がけています。
横暖ルーフ施工の前段階としての重要性
防水シートまでの施工が完了すれば、いよいよ横暖ルーフなどの屋根材を葺く工程に進む準備が整います。ここまでの下地づくりが適切に行われていれば、新しい屋根材も美しく、長持ちする仕上がりとなります。特に今回の吹田市の現場のように、従来の瓦屋根から軽量な金属屋根へと切り替える場合、下地の安定性は非常に重要です。
屋根材はどれだけ良質なものを選んでも、その下にある下地が不安定であれば、本来の性能を発揮することができません。そのため、屋根葺き替え工事では、下地補修・補強の段階でいかに丁寧な作業を行うかが、最終的な施工品質を大きく左右します。今回の施工では、全ての工程において職人が細部までこだわり、手間を惜しまない作業を積み重ねることで、確実で長持ちする屋根を実現することができました。
よくある質問
Q1. 既存のバラ板は全て撤去しないのですか?
A. 状態が良い部分は再利用しつつ、傷んでいる箇所のみを補修・交換します。コストと品質のバランスを重視しています。
Q2. コンパネを増し張りすると重量が増えませんか?
A. 若干の重量増はありますが、その上に乗せる横暖ルーフが軽量なため、全体としては軽くなります。
Q3. 防水シートは必ず必要ですか?
A. はい。雨水の侵入を防ぐ最終防衛線ですので、絶対に必要な工程です。
今回の工事に関するコツ
今回の屋根葺き替え工事で最も大切なポイントは、「下地処理の質の高さ」です。下地とは、まるで屋根の“骨組み”のような存在であり、屋根材の性能を支える基盤になります。特に瓦から横暖ルーフへの葺き替えでは、屋根材の重量が軽くなる一方で、風圧や衝撃に対して下地の安定性がより重要になります。
まず、バラ板の点検では目視だけでなく、実際に上を歩いてたわみや沈みを確かめながら、不具合のある部分を逃さず補修することが求められます。そして、合板の増し張りは、丁寧なカットとビス留めの間隔を守ることで、面の精度と強度を確保できます。
さらに、防水シートの施工では重ね幅・勾配・水の流れをすべて意識しながら張ることで、建物全体の防水性能が決まってきます。このように、地味に見える工程のひとつひとつが、完成後の仕上がりと耐久性に直結するのです。
山田興業では、これらの地味で繊細な作業にこそ徹底的にこだわり、安心して住み続けられる屋根を目指しています。屋根のリフォームをご検討中の方は、ぜひ下地から丁寧に施工する業者をお選びください。私たちがその「丁寧さ」でお応えいたします。















