現地調査をしてきました
本日は大阪府枚方市天之川町のお宅にて、屋根の現地調査を行ってまいりました。今回のご依頼内容は「屋根の棟部分から漆喰が落ちてきており、風が強い日に瓦がずれて音がする」とのこと。築年数は約40年、和風瓦屋根の住宅です。ご家族からのご相談を受け、できる限り最小限の補修で長持ちさせたいとのご希望もお伺いしておりました。
調査にはいつも通り脚立と高所カメラを用いて、安全第一で屋根に上がり確認を開始。道中、駅から徒歩で向かったのですが、途中の川沿いの並木道が秋風に揺れていてとても気持ちよく、気分も引き締まりました。
まず目についたのは、棟の漆喰部分の著しい剥がれです。棟瓦の接合部にあった漆喰が広範囲にわたり脱落しており、一部には崩れた破片が瓦上に残っていました。これにより、棟の下地である土や葺き土がむき出しになっており、雨水の侵入が危惧される状態です。
さらに、平部の瓦の一部が浮き上がっていたり、滑落寸前の箇所も確認されました。手で押さえるとグラつきがあり、下地木材との固定力が低下している様子。これらの症状は雨漏りに直結するため、早期の対処が必要です。
また今回の調査では「追加提案」として、単なる漆喰の詰め直しではなく、防水性と耐久性を兼ね備えた【ラバー工法】による棟部補修をおすすめしました。お客様には実際の現地写真を用いながらご説明し、「今後しばらく安心して住みたいので、そちらでお願いします」と即決でご依頼をいただきました。
瓦屋根の棟部分で発見された深刻な漆喰の剥がれ
今回最も目立ったのが、棟瓦の漆喰剥がれによる劣化です。特に南面と西面の棟部では、漆喰がほとんどなくなっている箇所が複数見られました。漆喰は瓦のズレを防ぎ、下地の土を雨水から守る大切な役割を果たしています。それが剥がれることで、棟瓦の固定力が弱まり、地震や強風時に瓦が落下する危険性も増すのです。
写真にもある通り、指で触るとボロボロと崩れてしまうほど劣化が進んでいました。また剥がれた漆喰のかけらが屋根面に散乱しており、雨どいに流れ込んで詰まりの原因にもなり得ます。
このような漆喰の状態では、見た目だけでなく機能的にも屋根全体の寿命を縮めてしまいます。特に大阪府枚方市のような強風やゲリラ豪雨の影響を受けやすい地域では、放置すれば雨漏りや瓦落下など大きなトラブルにつながりかねません。
現状を踏まえ、従来の漆喰詰め直しだけでは再発のリスクが高いと判断し、弾力性と密着性に優れた専用ラバー材を用いた工法を推奨しました。このラバー工法であれば、従来よりも長持ちし、地震などの揺れにも追従する柔軟性が期待できます。
屋根平部の瓦ズレや隙間から雨漏りのリスクが顕在化
棟以外にも、屋根の平部において数ヶ所の瓦浮きとズレが確認されました。これは地震や風の影響によるものと見られ、特に軒先付近の瓦は手で持ち上げると簡単に浮き上がる状態に。写真のように、瓦を外すと下地の防水紙が見える状態であり、既に小動物が巣を作ろうとしていた形跡も確認されました。
また、瓦がずれた部分には隙間が生じており、そこから雨水が浸入すると屋根裏にまで被害が及びます。木部の腐食、天井のシミ、さらにはシロアリの発生リスクまで考えられるため、早急な対応が必要です。
瓦自体はしっかりした厚みのある和瓦で、まだ使用に耐える状態です。しかしながら、留め金具や土台となる葺き土が劣化しているため、ズレを抑える機能が失われつつあるのです。今回はラバー工法での補強に加え、瓦の再配置と一部差し替えを行うことをご提案させていただきました。
さらに、防水シートの劣化具合により、今後は下地補強も検討する必要があると判断し、次回点検時に屋根裏の確認もさせていただく予定です。
漆喰だけでは防げない!ラバー工法が必要な理由と施工の重要性
屋根の漆喰補修といえば、従来は白い漆喰を新たに詰め直す作業が一般的でした。しかしこの方法には限界があり、特に築年数が経過した建物では施工しても数年で再劣化することがあります。これは、屋根の微細な動きや温度変化によって漆喰が固くなり、ヒビ割れを起こしやすくなるためです。
今回の現場では、瓦の固定に重要な棟部の構造自体に隙間が多く、硬化した漆喰では対応しきれない構造でした。そのため、私たちがご提案したのが「屋根漆喰ラバー工法」です。この工法は、従来の漆喰の代わりに弾力性のあるラバー系材料を使用し、棟瓦の内部や接合部に密着させて補強する施工法です。
ラバー材は伸縮性が高く、瓦や建物の動きにも追従しやすいため、ひび割れや剥がれのリスクを大幅に軽減してくれます。また、密着性に優れているため、水の侵入を防ぎ、屋根全体の耐久性を向上させることが可能です。
大阪府枚方市天之川町のように気候変動の影響を受けやすい地域では、こうした高耐候性素材を使った施工が求められます。屋根全体のメンテナンス性を考慮し、将来的な雨漏りや補修費用を抑えるためにも、この工法は最適な選択といえるでしょう。
今後の提案と注意点について
今後の施工において、まずは棟瓦のすべての漆喰を除去し、ラバー材にて再施工を実施する予定です。その際、瓦の再配置と一部差し替えを同時に行い、屋根面の均一性と強度を確保します。また、下地の木材部分に関しても軽度な補修を実施予定で、これにより耐震性の向上も見込めます。
施工後は1年点検サービスを実施し、ラバー材の剥離やズレがないか定期的に確認させていただきます。これによりお客様も安心して長く住まえる環境が整います。
加えて、お客様からのご希望で雨どいの清掃や詰まり防止対策も合わせてご提案しました。漆喰の破片などが溜まりやすい時期であることを説明し、後日実施予定です。
最後に、ラバー工法の材料費は一般的な漆喰よりやや高めですが、その分長期的にメンテナンスサイクルが延びるため、コストパフォーマンスは非常に高いといえます。お客様もその点を理解され、「将来の負担を減らすためにも長く持つ方が安心ですね」とご納得いただけました。
まとめ
大阪府枚方市天之川町で行った今回の現地調査では、瓦屋根特有の劣化症状が複数確認され、特に棟部の漆喰剥がれと瓦のズレは見過ごせない状況でした。ラバー工法による補修提案を通じて、再発防止と耐久性確保を図る施工を計画しております。現地での状況に応じた柔軟なご提案と丁寧な対応こそが、山田興業の強みです。
よくある質問
Q. 漆喰が少し剥がれているだけでも工事が必要ですか?
A. はい、少しの剥がれでも放置すると雨水が侵入し、屋根下地や構造材を劣化させる原因になります。早期対応が大切です。
Q. ラバー工法って安全ですか?
A. とても安全で耐久性も高い工法です。柔軟性があるため、地震や温度変化にも対応しやすいのが特徴です。
Q. 工期はどのくらいかかりますか?
A. 状況によりますが、棟のラバー工法と一部瓦調整を含めて2日~3日程度で完了することが多いです。
今回の工事に関するコツ
今回のような屋根漆喰の補修では「見た目に惑わされず、内部の劣化を見極める目」が大切です。表面上はわずかな剥がれに見えても、内部では土の崩れや木材の腐食が進行している場合が少なくありません。特に瓦屋根の場合、少しのズレや浮きも雨水の侵入口になるため、定期点検は欠かせません。
ラバー工法の施工ポイントは「下地の徹底清掃」と「接着面の完全な密着」です。既存の漆喰をしっかり撤去し、ラバー材を丁寧に充填することで初めて本来の効果が発揮されます。また、気温や湿度による硬化時間の調整も重要です。
そして、施工後の点検体制がしっかりしている業者を選ぶこともコツの一つ。山田興業では年1回の無料点検を実施しており、アフターフォローも万全です。将来的なトラブルを未然に防ぎ、安心して長く住める家にするためには、こうした細かな配慮が欠かせません。













