現地調査をしてきました
今回は大阪府枚方市長尾家具町にある住宅の屋根カバー工事(Cガード工事)をご依頼いただき、現地調査に伺いました。秋晴れの心地よい空の下、ドローンを使って屋根の全体像を確認。現場には電車で向かい、駅から徒歩で向かう道中、地域の住宅が比較的新しく整っている中にあって、やや年数の経った今回のご依頼宅が目を引きました。
屋根の形状は寄棟(よせむね)で、4面に分かれた傾斜が中央の棟に向かって集まる構造です。ドローンで撮影した画像からは、屋根材全体にわたり色褪せとコケの繁殖、棟板金にはサビの進行が確認されました。特に棟の接合部周辺には、雨水が溜まりやすくなっており、汚れの沈着とサビが目立っている状況でした。既存のスレート屋根材には防水性の低下が見られ、早急な対応が必要です。
今回は「Cガード工事」という屋根カバー工法を提案するにあたり、下地の強度確認や棟部分の雨水浸入リスクを重点的にチェックしました。ご依頼主様は以前の台風での雨漏り被害を心配されており、「もう二度と雨漏りで困りたくない」との強いご希望がありました。その思いに応えるべく、調査の結果を丁寧にご説明し、Cガードによる屋根のフルカバー工法をご提案したところ、「これで安心できる」と喜んでいただきました。
屋根に見られた劣化症状とそのリスク
今回の現地調査で特に目立ったのが、スレート屋根全体に見られた色あせと苔の繁殖です。長年の紫外線や雨風に晒されてきたことで、屋根材表面の塗膜がすでに劣化しており、撥水機能がほとんど失われていました。加えて、棟板金の接合部にはサビが広がっており、一部では浮きや隙間が発生している様子が確認できました。
こうした状態を放置すると、棟部分からの雨水の浸入が起こりやすくなり、下地の腐食や室内への雨漏り被害に直結します。実際、過去の他の現場でも同様の症状が見られた際、野地板(屋根の下地木材)が水を吸ってフカフカになっており、張り替えを要したケースも多くあります。
また、苔の繁殖は単なる見た目の問題に留まらず、屋根材表面の水分滞留を促進し、寒暖差による凍結・収縮で素材自体が割れやすくなっていきます。こうした複合的な劣化要因が重なることで、屋根全体の耐久性が著しく損なわれていくのです。今回の調査では幸いにも下地自体の腐食は確認されませんでしたが、このままの状態では時間の問題でさらなる劣化が進行していたと考えられます。
Cガード工事による屋根カバーのご提案内容
今回ご提案したのは、山田興業が得意とする「Cガード工法」による屋根カバー工事です。Cガードは既存のスレート屋根の上に新たな防水・断熱性能の高い屋根材を重ねて施工する方法で、既存屋根の撤去を最小限に抑えることができ、工期短縮とコスト削減を両立できるメリットがあります。
今回の寄棟屋根では、棟部分の板金とルーフィングの処理をより丁寧に行う必要があるため、通常よりも慎重な作業計画が求められます。調査段階では、既存屋根の固定強度や歪みの有無も確認済みで、施工時に問題となるような大きな構造的問題は見つかりませんでした。そのため、既存屋根に直接Cガード材をかぶせることが可能な状態です。
また、雨樋の詰まりや傾きについても簡易チェックを行い、必要に応じて清掃・調整作業を施工時に併せて実施するご案内をしました。お客様も「雨どいも少し気になっていた」とおっしゃっており、当社の提案力にご信頼を寄せてくださいました。
工事を進めるうえでの注意点と今後の対応
工事を進めるにあたり、いくつかの注意点があります。まずは屋根の形状が寄棟であるため、四方向に分かれる勾配と中央に集まる棟部分の施工に手間がかかる点です。特に棟板金の接合部には防水テープやコーキング材の処理を丁寧に行う必要があり、経験豊富な職人による精密な作業が求められます。
また、ドローンでの調査により電線の引き込み部が屋根の中央付近に集中していることが分かりました。この電線周囲の作業には感電リスクや通信障害のリスクもあるため、必ず作業前に関西電力への連絡を行い、必要であれば一時的な電線の取り扱いについて調整する方針です。
そして、今後の工程としては足場設置→既存屋根の洗浄→ルーフィング施工→Cガード設置→棟板金交換と進めてまいります。施工中も随時お客様には写真付きで進捗をご報告する予定です。山田興業では「見えないところこそ丁寧に」を信条に、安心できる住まいづくりを行ってまいります。
まとめ
今回の大阪府枚方市長尾家具町での現地調査では、屋根の劣化が進んでいることを確認し、Cガード工法による屋根カバーをご提案させていただきました。スレート屋根の劣化や棟板金のサビなど、見逃しがちなトラブルもドローン調査でしっかり把握。お客様の安心と快適な暮らしのために、最適な工法と丁寧な対応で工事を進めてまいります。今後の施工の様子もぜひご注目ください。
よくある質問
Q. Cガード工事とは何ですか?
A. 既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」です。コストを抑えつつ、防水・断熱効果が高まる点が特徴です。
Q. 工期はどれくらいかかりますか?
A. 寄棟屋根でのCガード施工では、足場設置を含めて4~6日ほどが目安です(天候により変動あり)。
Q. 雨の日も作業はできますか?
A. 雨天時は防水材の施工や屋根材設置に支障が出るため、基本的に作業は中止となります。安全と品質確保のためです。
今回の工事に関するコツ
Cガードによる屋根カバー工事は、既存屋根の状態を見極めることが成功の鍵です。特にスレート屋根では、表面だけでなく下地や棟板金の状態が工事の可否を左右します。事前のドローン調査は高精度な確認手段として非常に有効であり、山田興業でも積極的に導入しています。
施工に入る際のコツとしては、まず既存屋根の高圧洗浄をしっかり行うことが大切です。汚れやコケが残ったままだと、新しい屋根材との密着が不十分となり、施工後の剥がれや浮きの原因になります。また、ルーフィング(防水シート)を適切に施工することで、二次防水としての役割が強化され、長期間にわたり雨漏りを防ぐことができます。
寄棟屋根では特に棟部分の施工が難しく、ここを雑にすると後々の雨漏りの原因となります。熟練の職人が、棟板金の重ね方やコーキング処理を細部まで丁寧に行うことが求められます。また、棟周辺に電線やアンテナが集中している場合には、事前に施工の妨げにならないよう電力会社や通信業者との連携をとっておくことが重要です。
最後に、工事後のアフターメンテナンスも大切です。山田興業では年1回の定期点検を実施し、万が一の不具合にも迅速に対応いたします。屋根は見えない部分だからこそ、信頼できる業者選びが重要です。経験豊富な私たちに、安心してお任せください。