現地調査をしてきました
今回の現地調査は、大阪府枚方市小倉東町のお客様宅にて、外壁塗装と屋根ラバー工事のご依頼を受けて伺いました。季節は秋口に入り、朝晩が肌寒くなってきた頃。私は京阪電車で最寄駅まで移動し、そこから徒歩で住宅街を進みながら現場へと向かいました。途中、閑静な住宅地の中でも築年数が経過した建物が目立ち、地域全体に経年劣化の波が訪れているような印象を受けました。
現地に到着すると、落ち着いた和風の佇まいを残す木造二階建てのお宅でした。早速外壁の状態を確認すると、1階北側のサッシ横に明確な縦のクラック(ひび割れ)を発見しました。幅は約0.3mm〜0.5mmで、雨水の浸入が懸念されるレベル。雨染み跡は見られなかったものの、長期間放置すると内部の下地腐食や雨漏りの原因となるリスクが高いです。
また、外観全体を拝見したところ、色褪せが見受けられ、築20年以上経過していると思われます。チョーキング現象(壁を指で触ると白い粉がつく状態)も確認できましたので、外壁材の防水性能はすでに限界を迎えていると判断されます。
屋根に関しては、ドローン調査を交えて全体を確認し、モニタで細部をチェック。瓦は比較的整っていましたが、全体にコケや黒ずみ、また一部瓦のずれが散見されました。瓦の割れは見つかりませんでしたが、ラバーロック工事による補強は早急に必要です。屋根の下地への浸水や台風時の飛散リスクを最小限に抑えるためにも、今回のご相談は適切なタイミングだったと言えます。
外壁に見られたクラックとチョーキング現象から分かる深刻な劣化
今回の調査で最も目立ったのが、外壁に発生していたクラックとチョーキング現象でした。クラック(ひび割れ)はサッシ周りや外壁の継ぎ目部分に集中しており、構造的な応力が加わりやすい場所であることを考慮すると、経年劣化による自然な症状ではありますが、補修のタイミングとしてはギリギリのラインでした。
幅0.3mmを超えるクラックは、雨水が侵入しやすく、内壁の腐食や断熱材の劣化、カビの発生に直結します。特に枚方市のような降雨量が多い地域では、外壁の防水性能が重要です。また、サイディングの目地部分のシーリングも硬化しており、防水材の弾性が失われている状態でした。これにより、振動や風圧によって微細な動きが加わるたびに、クラックの進行が加速している可能性があります。
加えて、壁全体に広がるチョーキング現象が進行しており、塗膜の樹脂分が劣化し、顔料が粉状になって浮き出ている状況です。これは塗料の劣化がかなり進んでおり、外壁表面の防水性がほとんど失われていることを示しています。美観の低下だけでなく、建材自体へのダメージがじわじわと進行している兆候でもあるため、外壁塗装の必要性は非常に高いと判断されました。
屋根は一見健全でも油断禁物!瓦のズレと苔によるリスク
瓦屋根は見た目には頑丈そうですが、年数が経つにつれて少しずつ問題が蓄積していきます。今回の調査でも、屋根全体に目立った割れはなかったものの、複数箇所で瓦のズレが確認されました。瓦同士が少しでもズレると、隙間から雨水が入り込み、野地板(屋根の下地)にまで水が届くようになります。放置すると雨漏りに直結するため、早期の対処が必要です。
また、写真からも分かるように、屋根表面に苔や黒ずみが広範囲に発生しており、これは湿気が溜まりやすく、太陽光が当たりにくい環境でよく見られます。苔は根を張って瓦を浮かせたり、目地を侵食したりするため、見た目以上に深刻な問題です。
このようなケースには、ラバーロック工法による補強工事をおすすめしています。瓦同士を専用の耐候性ゴム系接着剤で固定することで、地震や強風でもズレにくくなり、屋根全体の耐久性が大幅に向上します。加えて、苔や汚れを除去した後、防苔・防カビのコーティング剤を塗布することで、美観と防水性の両立が可能です。
今後の工事提案と施工時の注意点
今回の現地調査を踏まえて、以下の内容での工事提案をお客様にご案内させていただきました。
まず、外壁に関しては「高耐久・低汚染型シリコン塗料」での外壁塗装を提案。クラック部分には弾性パテで下地補修を行い、全体には高圧洗浄+シーラー塗布→中塗り→上塗りの3工程を丁寧に行う流れです。特にサッシ周りのクラックは雨水が集中する場所であるため、しっかりと補強材を入れた補修が必要になります。
屋根については、瓦のズレをラバーロックで補強したうえで、全体に防カビ塗料を施す計画です。勾配が比較的急な屋根でしたので、足場をきちんと組み、作業員の安全確保を徹底する点が重要です。
また、工事期間中は近隣住宅との距離が近いため、高圧洗浄時の飛散や塗料の臭いに配慮して、事前に挨拶回りを行い、日程や作業内容のご案内もさせていただく予定です。お客様も非常にご協力的で、「ここまで丁寧に見てもらえるとは思わなかった」とのお言葉をいただきました。
まとめ
大阪府枚方市小倉東町で実施した今回の外壁塗装と屋根ラバー工事の現地調査では、外壁のクラックやチョーキング、屋根の瓦ズレや苔の繁殖など、経年劣化が多方面に及んでいることが明確になりました。適切なタイミングでの施工が、住まいの寿命を大きく左右します。
山田興業では、今回のような住宅全体の劣化診断を踏まえ、お客様一人ひとりに合ったご提案を徹底しています。施工後も年1回の無料点検や保証制度もご用意しており、安心して住み続けていただける体制を整えております。
よくある質問
Q1. クラック(ひび割れ)はどの程度で補修が必要ですか?
A. 幅が0.3mmを超えると雨水の浸入リスクが高くなります。目視で気になるレベルであれば、早めの調査をおすすめします。
Q2. ラバーロック工法ってどんな工事ですか?
A. 瓦同士をゴム系の接着剤で固定する工法です。瓦のズレや飛散を防止し、耐震性や防風性を高めます。
Q3. 外壁塗装は何年ごとにするのが理想ですか?
A. 使用している塗料にもよりますが、一般的に10〜15年ごとが目安です。チョーキングや色褪せが見られたら要検討のサインです。
今回の工事に関するコツ
外壁塗装や屋根工事を成功させるためのコツは「劣化の早期発見」と「適切な工法選び」に尽きます。特に今回のように、築20年以上経過しているお住まいでは、表面に現れない下地の劣化が進行しているケースもありますので、プロによる診断が不可欠です。
まず、クラックは構造クラックかヘアクラックかで補修方法が異なります。補修後の密着性を高めるためには、下地処理をどれだけ丁寧に行うかが肝になります。山田興業では、下塗りの「シーラー」選定に特にこだわり、壁材の吸水性に応じて最適なものを使用しています。
また、屋根に関しては、瓦の割れがないからといって安心せず、ズレや苔の発生に注意を向けることが大切です。定期的なドローン調査によって屋根全体をチェックし、必要に応じてラバーロックや防水塗料の塗布で対応しておくことで、数十年単位の安心が得られます。
さらに、工事前のご近所挨拶や、作業中の飛散防止対策など、施工だけでなく周囲への配慮も忘れてはいけません。工事の満足度は「仕上がりの美しさ」だけでなく、「工事中の対応」にも左右されます。山田興業では、こうした細やかな心配りも重視しており、お客様と地域の信頼を大切にしています。