現地調査をしてきました
今回は、大阪府茨木市井口台にて、屋根塗装工事をご検討中のお客様よりご依頼をいただき、現地調査に伺いました。現場へは阪急茨木市駅から車で移動し、閑静な住宅街に佇む二階建ての住宅でした。道幅も広く、作業車の駐車スペースも確保しやすい立地です。
現場に到着して最初に目を引いたのは、屋根全面に設置された太陽光パネルの存在でした。非常に綺麗に配置されており、設置年数が比較的新しいことが伺えます。しかし、屋根材自体には経年劣化による色褪せや微細なひび割れが見受けられ、今後の防水性や耐久性を考慮すると、早めの塗装メンテナンスが必要と判断しました。
また、特に注意が必要だったのは、太陽光パネル周囲の水捌け状況です。谷部の雨樋付近には、埃や落ち葉が溜まりやすい構造となっており、排水不良による屋根材へのダメージリスクが高まる恐れがありました。屋根の素材は金属系の板金で、表面の防錆塗装も徐々に劣化しており、塗膜の密着性も検討材料として要チェックです。
今回の調査では、ドローンを用いた高所撮影を併用し、目視では確認できない棟板金の釘浮きや、太陽光パネルの架台固定部の状態も確認しました。写真にもある通り、パネルの際部分の板金箇所は日常的に直射日光と雨風にさらされやすく、塗膜の摩耗が進行しています。現状では雨漏りなどの症状は出ていないものの、今後を見据えて、全面的な塗装のご提案と併せて、必要に応じたシーリング処理も視野に入れるべきと考えられます。
太陽光パネル付き屋根の塗装で注意すべきポイント
太陽光パネルが設置されている屋根の塗装工事では、通常の住宅とは異なる注意点がいくつかあります。今回の茨木市井口台の住宅でもまさにその要素が重なっており、まず第一に重要なのが「パネル周囲の塗装精度」です。
太陽光パネルが固定されている部分の下は塗装作業が物理的に難しく、施工時にはパネルの脱着を伴うかどうかの判断が求められます。特に、固定金具の周辺や架台下部は、雨水が溜まりやすく、そこからのサビや劣化が進行しやすいため、手を抜くと後々雨漏りや防水性能低下の原因になりかねません。
また、塗料の選定にも配慮が必要です。金属屋根であるため、通常のウレタン塗料ではなく、遮熱性・耐候性に優れたフッ素系またはシリコン系塗料を使用することで、長期的な保護効果が期待できます。さらに、太陽光パネル周辺は熱がこもりやすくなっているため、塗膜の膨れや剥がれが起きないよう、下地処理と下塗り材の選定を適切に行う必要があります。
加えて、ドローン調査で発見した棟板金の釘浮きについては、塗装前にビス止めやシーリング材による固定強化が不可欠です。屋根全体の仕上がりは、細かな下地処理にどれだけ手をかけるかで決まるため、工程ごとに丁寧な対応が必要となります。
雨仕舞いと排水性能の強化が今後の課題
今回の調査では、屋根の構造的な特徴として、谷部(屋根がV字になって雨水が集まる部分)の水捌けの悪さが特に気になる点でした。写真に写っているように、太陽光パネルの影響で雨水の流れが一部遮られ、埃やゴミが溜まりやすくなっている状況です。
このまま放置すれば、排水不良によって屋根材の腐食や雨漏りのリスクが高まることが懸念されます。そのため、塗装工事の際には、単に塗るだけでなく、雨仕舞いの観点からも補修計画を立てる必要があります。
まず考えられるのが、谷部の清掃と水の流れをスムーズにするための傾斜補正、または水切り金具の設置です。加えて、屋根の勾配に応じた防水シートの補強や、雨樋の点検・交換も視野に入れておくと安心です。特に太陽光パネルの設置により、風の吹き込みや落ち葉の堆積が発生しやすくなるため、今後も定期的な清掃や点検が欠かせません。
お客様には、年1回の定期点検を推奨し、必要に応じてドローンによる再調査を行う旨をご説明し、ご安心いただけました。今後のメンテナンスを見据えて、防水・排水性能の見直しを含むご提案を行ってまいります。
塗装と同時に検討すべき追加提案とは?
今回の現地調査では、屋根塗装工事の他に、「太陽光パネルのメンテナンス」についても追加提案を行いました。お客様とのお話の中で、設置以来一度もメンテナンスをされたことがないとのことで、発電量の低下や汚れによる性能低下が懸念されたためです。
太陽光パネルは年数が経つと表面の汚れや埃、鳥の糞などが付着し、発電効率が大幅に落ちる場合があります。特に井口台のような樹木の多い地域では、落ち葉や苔の付着も要注意です。そのため、屋根塗装工事の際に足場を設置するこのタイミングで、パネル表面の洗浄と架台部分の固定状態のチェックを同時に行うことをご提案しました。
お客様はこのご提案に非常に前向きな反応を示され、「どうせ足場を組むなら、全部一緒にやってもらった方が安心ですね」とのお言葉をいただきました。山田興業では太陽光パネルメンテナンスの専門スタッフが在籍しており、安全かつ的確に作業を行いますので、塗装工事とセットで行うことで、コスト面でも効率的です。
まとめ
今回、大阪府茨木市井口台で実施した屋根塗装工事の現地調査では、太陽光パネルが設置された特殊な屋根構造における複数の課題と、それに対する最適な対策を確認することができました。今後の工事では、塗装だけでなく排水性能の改善や太陽光パネルのメンテナンスを組み合わせることで、お住まいの寿命と快適性を同時に高める提案を進めてまいります。
よくある質問
Q. 太陽光パネルがあると塗装工事はできませんか?
A. 可能です。架台や金具の周囲を丁寧に塗装することで、美観と防水性を両立できます。必要に応じて脱着対応も可能です。
Q. 屋根塗装と一緒に太陽光パネルの掃除もしてもらえますか?
A. はい、対応可能です。足場設置時に行うとコストも抑えられます。
Q. ドローン調査には追加費用がかかりますか?
A. 山田興業では調査目的におけるドローン使用は無料です。鮮明なデータをもとに正確な診断が可能です。
今回の工事に関するコツ
太陽光パネル付きの屋根塗装工事を成功させるためには、「段取り」と「下地処理」が何より重要です。まず、パネルが設置されていることで塗装できない部分があるため、どこまで塗れるかを事前に確認し、お客様と共有することが肝心です。そのうえで、塗装対象範囲と非対象範囲を明確にし、場合によっては架台の簡易的な脱着を検討することもあります。
次に重要なのが下地処理です。金属屋根は表面が滑らかであるため、塗料の密着性を高めるためにケレン作業(表面の研磨)が必須です。さらに、太陽光パネルが設置されている屋根は日照時間が長く、熱膨張の影響も受けやすいため、塗料は耐候性・遮熱性のある高品質なものを選ぶことが望ましいです。
また、足場を組むタイミングでパネルの清掃や点検も同時に行うことで、コストと作業効率を両立させることができます。特に谷部の排水不良がある場合は、事前に清掃し、必要に応じて水切り金具の設置なども視野に入れることで、長期間にわたって安心できる屋根環境を整えることが可能です。
最後に、定期的なメンテナンスのスケジュールを立てることで、再発防止と費用の平準化ができます。年1回の点検を推奨し、必要に応じてドローンを用いた詳細確認を行うことをおすすめします。太陽光パネルと塗装の両立には専門的な知識と経験が求められますので、信頼できる業者選びが成功のカギを握ります。