現地調査をしてきました
今回は、大阪府門真市岸和田にて、ベランダの防水工事および外壁補修工事のための現地調査を行いました。現地には当社山田興業の職人2名で伺い、隅々まで丁寧に確認してまいりました。現場へは京阪電車で門真市駅まで向かい、そこから徒歩で現地入りしました。
到着してすぐに気づいたのは、ベランダ床面における深刻な防水層の劣化です。床面の塗膜が完全に剥がれ、コンクリートが露出し、雨水の浸透による染みや変色が見受けられました。防水層が機能していない状態が続いていると推測され、雨漏りのリスクが非常に高まっている状況でした。
また、ベランダの立ち上がりや壁際にはひび割れやシーリング材の劣化も確認。そこからも雨水が侵入している痕跡があり、早急な補修が必要な状態です。
さらに驚いたのは、建物外壁のモルタル部分が広範囲にわたり浮き・剥離していたことです。写真でもお分かりいただける通り、手で触ると簡単にポロポロと崩れる状態で、長年にわたる経年劣化と雨水の浸透が原因と考えられます。
お客様からは「2階ベランダ下の天井にシミが出てきた」とのお話もありました。実際にスマートフォンで撮影された写真も拝見し、外から見えない箇所にも被害が広がっている可能性が高いと判断しました。そこで今回、防水工事と併せて、外壁補修の追加提案も行いました。
追加提案をお伝えした際には、お客様からも「そこまで悪くなっているとは思わなかった」と驚かれた様子でしたが、「しっかりと直してほしい」とご依頼をいただけることとなりました。
ベランダの防水層はすでに機能停止状態に
今回の現地調査で最も深刻だったのが、ベランダの防水層の著しい劣化です。写真をご覧いただくとお分かりの通り、表面塗膜はほとんど剥がれており、防水材としての機能はすでに失われています。
本来、ベランダの床にはウレタン防水やFRP防水などの防水層が施されていますが、それが経年劣化により硬化し、割れ、最終的には剥がれてしまうことがあります。今回は、まさにその状態が進行しており、全体的に雨水がしみ込む構造となっていました。
とくに問題なのは、立ち上がり部分や端部の防水処理が切れていたことです。ここから雨水が壁内へと浸入し、建物の構造体にまでダメージを与える恐れがあります。雨の日に強風を伴えば、さらに多くの水分が押し込まれるため、雨漏りの発生リスクは高まる一方です。
お客様のお話でも「最近、雨の日にベランダ周りの壁が湿っぽくなる」とのことでしたので、すでに実被害が始まっている可能性が高いです。
今後の工事では、まず既存の劣化した防水層を全て剥がし、下地の状態を確認。必要であれば下地補修を行ったうえで、ウレタン防水の密着工法でしっかりと新しい防水層を形成していく予定です。
外壁モルタルの剥離は雨漏りだけでなく落下リスクも
現地調査中、外壁面の劣化状態も非常に気になりました。外壁はモルタル仕上げとなっており、一見すると丈夫そうに見えますが、実際には広範囲で塗膜が浮いており、一部は完全に剥がれ落ちていました。
手で軽く叩いてみると、内部が空洞になっているような“ボコボコ”とした音が返ってくる箇所が多く、これは「浮き」が発生しているサインです。浮いたままの状態を放置していると、やがてその部分が落下し、人や物に被害を与える危険性もあるため、早めの処置が必須です。
このような状態に至る主な原因は、雨水の浸入と紫外線による劣化です。防水層やシーリングが劣化して建物内部に水分が入り込むと、モルタルの内部で鉄筋が錆び、その錆が膨張してモルタルを押し出してしまう「爆裂(ばくれつ)」現象が起きやすくなります。
また、モルタルがひび割れた部分から雨水が侵入して乾燥を繰り返すことで、粘着力が失われ、最終的に剥離してしまいます。こういった二次災害を防ぐためにも、単なる塗装ではなく、下地補修を含めた補修工事が必要不可欠です。
今回の工事では、外壁のモルタル補修を行い、浮きや剥離部分をすべて撤去。その後、下地調整と防水塗装を実施する予定です。
ベランダ下の漏水は室内被害にも繋がる恐れ
お客様から提供いただいた写真には、ベランダ直下の天井部分に大きなシミが確認できました。これは、上階のベランダからの漏水がすでに天井裏を伝って内部まで浸水している証拠です。
漏水が続けば、天井ボードの変色や剥がれ、さらにはカビの発生による健康被害にも繋がります。特に今回のように、漏水の発生箇所が目視しにくい構造の場合、気づかないうちに内部の木材や断熱材が腐食してしまうケースが少なくありません。
また、築年数が経過している建物では、防水材だけでなく構造部分にも補強が必要になることがあります。ベランダの床下には配管が通っているケースもあり、その部分への水分浸入が原因で、さらに大規模な修繕が必要になるケースも多々あります。
そのため、今回は漏水経路を明確に特定するため、施工前に散水調査を実施する予定です。ピンポイントで雨水の侵入口を把握した上で、防水工事と外壁補修を一体的に施工し、再発防止を徹底します。
今後の工事提案と注意点について
今回の現地調査の結果をもとに、以下のような施工内容をご提案させていただきました。
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ベランダ防水工事(ウレタン密着工法)
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ベランダ立ち上がりのシーリング打ち替え
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外壁モルタル補修(浮き・剥離箇所の撤去と再施工)
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防水塗装(下塗り・中塗り・上塗りの3工程)
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漏水箇所の特定と補修
施工にあたっては、周辺への水漏れ・粉塵の飛散に注意しながら、近隣へのご挨拶も徹底してまいります。特に今回はベランダという生活スペースに直結する部分の工事のため、日常生活への影響も最小限に抑えるよう段取りいたします。
また、外壁補修においては、足場の設置が必要となるため、安全対策も万全に行います。今回の工事を通じて、お客様のご自宅が再び安心して過ごせる空間となるよう、丁寧な施工をお約束いたします。
まとめ
大阪府門真市岸和田で行ったベランダ防水・外壁補修の現地調査では、防水層の剥がれ・外壁モルタルの剥離・漏水の兆候といった深刻な劣化を確認しました。今後の工事では、徹底した下地補修と防水再施工を中心に、お客様の安心・安全を守る施工を行ってまいります。
よくある質問
Q1:ベランダの防水工事はどれくらいの頻度で必要ですか?
A:一般的に10年に1度が目安です。環境によっては早まることもあるため、5年ごとの点検をおすすめしています。
Q2:外壁のモルタルが剥がれているのは危険ですか?
A:はい。落下の危険があるだけでなく、雨水の侵入経路にもなるため早急な対応が必要です。
Q3:防水工事と外壁補修を同時に行う必要はありますか?
A:はい。両方に劣化がある場合は一括で施工した方が効率もコスト面も優れます。
今回の工事に関するコツ
ベランダ防水や外壁補修の工事を成功させるためには、**「下地処理」と「工程管理」が鍵となります。どれだけ高性能な防水材や塗料を使っても、下地がしっかりしていなければ早期剥離や再劣化に繋がります。今回のようにすでに剥がれが広範囲に及んでいる場合は、まず浮いた部分をすべて撤去し、下地の補修(モルタル充填やクラック補修)**をしっかり行うことが重要です。
また、防水工事では「密着工法」「通気緩衝工法」など複数の施工方法がありますが、現場の状態によって適切な工法を選ぶ必要があります。今回はベランダ床面が比較的乾燥していたため、ウレタン密着工法を選定しましたが、下地に水分が残っていた場合には通気緩衝工法を選んだ方が膨れや剥がれを防げます。
さらに注意したいのが気象条件と乾燥時間の管理です。防水材や塗料は雨天や多湿の環境では硬化不良を起こす可能性があるため、天候を見ながら計画的に進めることが重要です。山田興業では、事前に天気予報を見ながら工事日を調整し、万全の状態で工事に取りかかるようにしています。
また、施工中や完了後には写真付きで進捗をご報告するなど、お客様との情報共有も大切にしています。これにより「見えない部分がどうなっているか分からない」といった不安も解消され、納得・安心の工事をお届けできます。