現地調査をしてきました

今回の現地調査は、大阪府寝屋川市高柳にお住まいのお客様からのご依頼で、コンクリート外壁の劣化とスレート屋根の状態確認を目的として行いました。ご相談内容としては、「築年数も経っているため一度点検してほしい」とのことでした。
調査当日は、京阪電車の寝屋川市駅から徒歩で現地に向かいました。天候は快晴で、屋根上からの視界も良好。住宅街の一角にある二階建てのお宅で、外観は一見するとまだしっかりしているように見えましたが、近づいてみると細かい劣化が随所に見られました。
まず外壁では、RC造(鉄筋コンクリート)の角部が欠け、モルタルが剥落している箇所がありました。一部は窓枠の取り合い部にもひび割れが走っており、雨水の侵入が心配される状態でした。また、電線の引込口付近のモルタル補修跡にも新たなクラックが見受けられ、過去に補修歴があることがうかがえます。
屋根に関してはスレート瓦が全体的に褪色しており、北側面には苔や藻の発生も確認できました。防水性の低下が進んでいる兆候であり、塗膜の剥離も一部見受けられたため、今後雨漏りへと進行する恐れもある状態です。
今回の調査を通じて、外壁と屋根の両方で早期のメンテナンスが必要な状態と判断いたしました。
【外壁調査】コンクリートの角欠けとクラックが目立つ状態

現地でまず目に入ったのは、コンクリート外壁の角部が大きく欠けている箇所でした。お客様ご自身ではなかなか気付きにくい部分ですが、実際に手で触ると断面がもろく、コンクリートの強度が低下しているのが分かります。
こうした角欠けは、経年劣化に加えて、地震や風雨などの外的ストレスが積み重なった結果起こることが多く、建物の耐久性にも悪影響を及ぼします。また、角が欠けることでその部分から雨水が浸入し、内部の鉄筋が錆びてコンクリートの爆裂(スパリング)を引き起こすリスクもあります。
今回の住宅では、窓サッシとの取り合い部分や電気配管の周囲にも細かいクラックが多数確認されました。特に気になったのは、過去に補修された跡の周辺に新たなひび割れが見られた点です。これは、補修材と既存壁面の接着がうまくいっていない、もしくは建物の揺れが継続していることを意味しており、早めの対応が必要です。
外壁全体としては、まだ大きな浮きや剥離は見られなかったものの、今後の劣化進行を防ぐためにも再度モルタル補修と塗装による保護が推奨されます。
【屋根調査】スレート瓦の褪色と苔の繁殖が進行中

屋根の状態については、現地にてドローンと目視調査を併用して行いました。屋根材は一般的なスレート瓦で、表面の塗膜がほとんど失われており、全体的に灰色がかったくすんだ印象でした。
特に北側斜面には苔が目立ち、屋根表面の防水性がほとんど機能していないと判断できます。苔や藻が繁殖すると、その部分に常に水分がとどまりやすくなり、屋根材の内部にまで水が浸透してしまうことがあります。これは雨漏りの原因となるだけでなく、構造材への腐食も招く恐れがあるため、早期対策が必要です。
また、棟板金や谷樋などの金属部にはサビの兆候こそなかったものの、釘の浮きが一部に見られたため、今後の台風シーズンを考えると、固定の見直しもあわせて行う必要があります。
塗装によるメンテナンスだけでなく、棟板金の再固定や苔除去、高圧洗浄などの下地処理を含めた工事が適切と考えられます。
【工事に向けた注意点】外壁と屋根の同時施工のメリット
今回のように、外壁と屋根の両方に劣化が見られるケースでは、同時施工を行うことによって「足場の設置費用を一度で済ませられる」メリットがあります。特に2階建て以上の住宅では足場代が工事費全体の中でも比較的高額を占めるため、一括施工をおすすめいたします。
ただし注意すべき点として、コンクリート外壁への塗装は下地の状態確認と適切な補修が肝心です。未処理のまま塗装をしてしまうと、すぐに剥がれや膨れの原因となってしまいます。特に既存の補修箇所との相性を見極めた上で、適切な下地処理材(フィラーやシーラーなど)を選定することが重要です。
また、屋根に関しては塗装前の高圧洗浄の際、苔の根が深い場合は二度洗いが必要になることもあります。その分作業時間が延びる可能性もありますので、事前に工程のすり合わせが必要です。
施工中は近隣への騒音や飛散にも配慮し、適切な養生と案内を徹底することで、トラブルを未然に防ぐ対応を行ってまいります。
【今後のご提案】外壁補修+屋根塗装のトータルプランを
今回の現地調査をふまえ、お客様には「外壁のクラック補修+屋根の高圧洗浄・塗装」のセットプランをご提案いたしました。補修範囲の見積もりは現在精査中ですが、全体の劣化状態を踏まえた最適なご提案を行っております。
外壁はひび割れ・欠損部のモルタル補修を行った後、下塗り(フィラー処理)・中塗り・上塗りの3工程でしっかり保護層を形成予定です。屋根については、苔除去・高圧洗浄・下塗り・上塗りの2回塗りを標準とし、必要に応じてタスペーサーの挿入も行います。
お客様からは「ここまで詳しく状態を見てくれて安心しました」との声もいただき、現在正式なご契約に向けてご検討中です。
今後の工程としては、足場設置→外壁補修→屋根洗浄・塗装→外壁塗装→完了検査という流れで進めてまいります。
まとめ
大阪府寝屋川市高柳での外壁・屋根の現地調査を通じて、コンクリート外壁のひび割れや屋根の塗膜劣化など、複合的な劣化が進行していることが判明しました。建物の耐久性を維持するためにも、早期の補修・塗装工事が必要です。
よくある質問(Q&A)
Q. 外壁のクラックはすぐに直さないといけませんか?
A. 放置すると内部に雨水が侵入し、鉄筋の錆や構造劣化につながります。早期補修をおすすめします。
Q. 屋根の苔は見た目だけの問題ですか?
A. いいえ、防水機能の低下を示すサインであり、雨漏りの原因にもなります。除去と塗装が必要です。
Q. 外壁と屋根は別々に工事した方がいいですか?
A. 足場費用などを考慮すると、同時施工の方がコストを抑えられるメリットがあります。
今回の工事に関するコツ
今回のような外壁・屋根の同時劣化に対しては、「下地処理」と「工程管理」が工事成功のカギとなります。まず外壁の補修については、単にひびを埋めるのではなく、既存補修材との密着性や動きやすい部分への可とう性の高いシーリング材を用いることが重要です。また、モルタル補修後はしっかりと乾燥期間を確保した上で、適切な塗装工程を組む必要があります。
屋根に関しては、高圧洗浄の精度が工事後の耐久性を大きく左右します。苔やカビが根付いている場合は、1回の洗浄では完全に除去できないこともあるため、2度洗いを前提に計画すると安心です。また、タスペーサー(縁切り材)の挿入を怠ると、塗膜の密閉により雨水が排出されず、雨漏りの原因になることもあるため注意が必要です。
そして、工事中は近隣への配慮も重要なポイントです。特に外壁塗装では風向きによっては塗料の飛散が起こることがあるため、足場のメッシュシートの設置や作業前の声かけなど、丁寧な対応が信頼につながります。
山田興業では、現地調査から施工、アフターフォローまで一貫して対応しておりますので、安心してお任せください。













