現地調査をしてきました
今回の現地調査は、大阪市鶴見区今津中にある鉄筋コンクリート造の住宅にお伺いしました。お客様より「外壁にひび割れがある」「所々シミや汚れが目立つ」とのご相談を受け、外壁塗装を検討されているとのことで、調査依頼をいただきました。
朝のラッシュを避けるため、少し早めに摂津市を出発し、京橋経由で電車移動。住宅街の静かな一角に建つお宅で、築30年近くとのこと。外観は一見しっかりして見えるものの、近づいてみると様々な劣化の兆候が目に入りました。
調査では、まず目視と打診による壁面の状態確認を実施。その後、外壁表面のひび割れ・クラック・チョーキング現象・鉄筋の露出・雨だれ跡・配管まわりのコーキング劣化など、細部まで点検しました。鉄筋が完全に露出し、錆汁が垂れている状態が確認されました。これは構造体にも悪影響を及ぼす非常に危険なサインです。
また、サッシまわりに深い縦クラック、雨樋下に沿ったヘアクラック、エアコン配管まわりの黒ズミが確認され、外壁塗膜の防水性能が低下していることがわかりました。これらの劣化は放置すると建物内部にまで影響が及び、雨漏りの原因となる恐れがあります。
お客様へは、現状の劣化状況を丁寧にご説明した上で、早期の補修と外壁塗装の必要性をご案内しました。さらに、追加提案として「錆止め塗装を含む鉄筋部分の補修」「配管根元の再シーリング処理」「外壁全体の高圧洗浄+防カビ仕上げ塗装」も合わせてご提案。お客様も「そこまで丁寧に見てくれるとは思っていませんでした」と非常に安心された様子で、前向きにご検討いただけるとのことでした。
鉄筋露出と錆による劣化の深刻さ
今回の現場で最も深刻だったのは、鉄筋の露出と錆の発生です。鉄筋コンクリート造において、鉄筋が外部から見えるということは、コンクリートの中性化が進んでいる証拠であり、防水層の劣化とともに建物の寿命を大きく縮める要因となります。
写真にある通り、鉄筋部分はすでに錆びて赤茶色の錆汁が外壁に伝っていました。これは内部で膨張した鉄筋がコンクリートを押し割っている状態であり、今後さらに膨張すれば、表層のモルタルが剥がれ落ちる恐れがあります。このままでは、雨水の侵入や強度低下につながるため、早急な補修が必要です。
具体的な対応策としては、まず劣化部分を斫り、錆をしっかりと除去した上で、鉄筋に防錆材を塗布。その後、モルタルを充填・補修し、密着性の高い下地材で仕上げます。これにより構造体の保護を最優先し、その上から外壁塗装を行うことで、再発リスクを抑えることが可能となります。
鉄筋露出を放置すると、見た目だけでなく建物の安全性にも関わります。外壁塗装は見た目の美しさを取り戻すだけでなく、住まいの寿命を延ばす重要なメンテナンスです。
サッシまわりや目地のクラックが示す防水層の限界
今回の現地調査では、特にサッシ周辺や目地部分の縦クラックが目立ちました。サッシの縁に沿って直線的な深いクラックが見られ、これは長年の揺れや地震の影響により起こりやすい箇所です。また、シーリング材の劣化による剥離も確認され、防水機能が低下していることがわかりました。
これらのひび割れは、見た目以上に水の侵入経路となりやすく、雨が降るたびに微量の水が内部へと侵入し、壁内部の木材や断熱材を傷めてしまう恐れがあります。特に縦方向のクラックは雨水が集まりやすく、放置すると大きな被害へと発展するケースも多く見られます。
対処方法としては、ひび割れ部分のVカット処理による下地補修を行い、プライマー塗布後に高耐久の変成シリコンシーリング材で丁寧に充填。その上から下塗り・中塗り・上塗りの3層構造で塗膜を形成し、雨水の侵入をしっかりと防ぎます。
外壁塗装は、単に「塗る」だけではなく、防水機能の再構築が重要です。今回のように、細かなクラックや目地の劣化を見逃さず、丁寧な下地処理を行うことで、長期にわたり安心できる住まいを実現します。
エアコン配管まわりの黒ズミとカビ汚れ
今回の現場で見逃せなかったポイントのひとつが、エアコン配管周辺の黒ズミやカビ汚れです。特に配管の根元や外壁の接触部に黒ずみが集中しており、これは雨水と空気中の埃、さらに結露が原因となってカビや藻が繁殖している状態です。
このような黒ズミは、見た目の問題だけでなく、外壁材へのダメージや、放置することで内部腐食を招く恐れもあります。特にエアコン配管まわりは、穴をあけて設置している関係上、コーキングやパテでしっかり防水処理されている必要があります。しかし現場では、経年劣化によってそれらが硬化・ひび割れしており、雨水の侵入口となっていることが判明しました。
対応としては、配管周辺の古いシーリング材をすべて撤去し、新しい高耐久のシール材で防水処理を実施。その後、外壁全体に高圧洗浄を行い、黒ズミや藻、カビを根こそぎ除去。さらに、防カビ・防藻機能を持った塗料を用いて塗装を仕上げることで、再発防止策も万全に整えます。
外壁塗装では、こうした細かな箇所の配慮が仕上がりと耐久性を左右します。見た目を整えるだけでなく、「住まいを守る」塗装こそが私たち山田興業の使命です。
今後のご提案と施工の流れについて
現地調査を経て、お客様へご提案する施工内容は以下の通りです。
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鉄筋露出部の斫り・防錆・補修工事
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クラック部の下地処理(Vカット+シーリング)
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外壁全面の高圧洗浄+防カビ洗浄剤施工
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外壁全体へのシリコン系塗料による3工程塗装
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サッシ・配管まわりの再シーリング
お客様へは「見積もり内容と工程の流れを見せていただいて、非常に分かりやすかった」とご感想をいただきました。施工後も年1回の定期点検と、施工保証付きでアフターフォローも万全です。
特に今回は「雨漏りがまだ発生していない今のうちに対応しておきたい」というお客様の意向を重視し、予防保全を目的とした提案を行っています。今後はカラーシミュレーションを実施し、ご希望の配色でより美観と機能性を両立した住まいへと変身させる準備を進めてまいります。
まとめ
今回の大阪市鶴見区今津中での現地調査では、外壁のひび割れ・鉄筋露出・サッシまわりの防水劣化・配管周辺の黒ズミといった複数の問題が確認されました。早期に対処することで、建物の寿命を延ばすことが可能であると判断しています。山田興業では、現地調査から施工、アフターフォローまで一貫して対応し、お客様にとって最適な住まいづくりをサポートいたします。
よくある質問(Q&A)
Q. 外壁塗装は何年ごとに必要ですか?
A. 一般的には10~15年に一度が目安ですが、環境や塗料によって異なります。今回のような劣化症状があれば早急な対応が必要です。
Q. 工事中は在宅している必要がありますか?
A. 基本的には外作業となるため不在でも問題ありません。進捗報告はLINEや写真付きでご案内可能です。
Q. 雨が続いたら工事はどうなりますか?
A. 安全と品質を確保するため、雨天時は作業を中止・延期します。スケジュール調整も柔軟に対応いたします。
今回の工事に関するコツ
今回のように築年数が経過した住宅では、「目に見えない劣化」が進行していることが多くあります。特に鉄筋コンクリート造の場合、鉄筋が露出して錆び始めると、建物全体の強度にも関わるため、外壁のひび割れや雨染みなどの“初期サイン”を見逃さないことが大切です。
現地調査時には、外観の色あせだけで判断せず、壁を叩いて中の空洞音を確認したり、サッシ周辺やエアコン配管などの細部も徹底的に確認しましょう。また、クラックの幅や深さに応じて適切な補修工法を選ぶこともポイントです。浅いクラックにはヘアクラック補修材、深い場合にはVカット+コーキング処理が有効です。
塗装時には下地処理が仕上がりの命と言われます。高圧洗浄で汚れをしっかり除去し、シーラーなどの密着材を丁寧に塗ることで、上塗り塗料の耐久性が大幅に向上します。さらに、今回のように防カビ・防藻機能のある塗料を使用すれば、美観も長持ちし、メンテナンスの頻度も減らせます。
最後に、塗装後も安心して暮らせるよう、アフターフォロー体制の整った業者を選ぶことが大切です。山田興業では年1回の点検・補修提案を行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。