現地調査をしてきました

今回の現地調査は、大阪市城東区鴫野西にある3階建ての戸建住宅にて実施いたしました。ご依頼内容は「外壁塗装」と「ベランダの防水工事」で、築年数から見てそろそろ全体的なメンテナンスが必要とされる時期に差し掛かっている建物です。現場には車で向かい、途中の大通りでは信号渋滞が少しありましたが、周囲は閑静な住宅街で落ち着いた雰囲気。到着時、施主様は快く迎えてくださり、ご不安な箇所を丁寧にご説明いただきました。
まず外観全体を拝見すると、1・2階部分は落ち着いたブラウン、3階は白系のデザインで、美観的にはモダンな造りでした。ただし、目地の劣化や塗膜の色あせ、チョーキング(外壁を手で触れると白い粉が付く状態)が目立ち、メンテナンスの必要性が伺えました。外壁目地のコーキングが劣化しひび割れが生じており、雨水の侵入リスクが高まっている状態です。
また、窓サッシの周辺部でもシーリングの隙間や浮きが確認でき、防水性の低下が懸念されました。特にベランダの床面は目視で軽微なひび割れや浮きがあり、防水層の機能が著しく劣化している兆候が見られます。このまま放置すると雨漏りに繋がる可能性があるため、早期の防水工事が推奨される状態でした。
追加提案として、施主様がご自身では気づかれていなかった「笠木部分のシーリングの打ち替え」も必要であることをご説明しました。実際に写真をお見せしながら劣化箇所を解説したところ、「こんなところも傷んでいるんですね」と驚かれ、追加提案も快くご理解いただけました。今後は外壁塗装に加え、ベランダ床のウレタン防水塗布、各所のコーキング打ち替えを含むプランを提示予定です。
外壁目地の劣化による雨水浸入のリスク

今回の現地調査で特に目立ったのが、外壁目地の劣化でした。外壁材はサイディングボードで、ジョイント部分にはコーキング材(シーリング)が打たれていますが、経年劣化によってその柔軟性が失われ、ひび割れや剥離が発生しています。この状態を放置してしまうと、雨水が内部に浸入し、躯体木部の腐食や断熱材のカビ発生といった深刻なダメージへと発展する恐れがあります。
特に大阪市城東区のように年間通じて降雨が多く、梅雨や台風時期の湿度が高い地域では、こうした小さな目地の劣化が大きな被害につながりかねません。そのため、定期的な点検と、劣化状況に応じた適切なメンテナンスが不可欠です。
現場では、目地部のひび割れが顕著に確認できます。このような場合は「打ち替え工法(既存のシーリングをすべて撤去し、新たに充填し直す方法)」が必要で、単なる上塗りでは意味を成しません。今回の住宅は築10年以上が経過しており、建材の動きによる収縮・膨張の繰り返しがコーキング劣化に拍車をかけた可能性が高いと判断しました。
ベランダ床面の劣化状況と防水の必要性

ベランダは屋外にさらされる時間が長いため、外壁よりも劣化が早く進むことが多い箇所です。今回の建物も例外ではなく、ベランダの床には経年劣化による色あせ、小さなクラック(ひび割れ)が複数確認されました。防水層の表面も部分的に浮いており、雨が長時間滞留した際の浸水リスクが心配される状態でした。
とくに、防水層の膨れや変色がある場合、下地まで水分が侵入している可能性があるため、早急な対応が必要です。調査の結果から判断し、今回の施工では「ウレタン防水工法」をご提案することになりました。これは既存の防水層の上から新たにウレタン樹脂を塗布することで、接着性・防水性を高め、耐久年数も10年以上見込める工法です。
また、笠木(ベランダの手すり部分の上部)との取り合い部分のシーリングも打ち替えが必要です。この箇所からの雨水侵入も多く見られるため、見落としがちな部分ですが非常に重要なポイントとなります。実際に施主様にも、これらの状況を写真と共にご説明し、ご理解をいただけました。
塗膜のチョーキング現象が示す塗り替えサイン
外壁の調査中、手で壁を擦ると白い粉が手に付着する「チョーキング現象」が広範囲で確認されました。これは塗膜が紫外線や雨風によって分解され、顔料が表面に浮き出てくる現象です。見た目の劣化だけでなく、防水性・保護機能が著しく低下している状態を示しています。
塗膜の劣化が進行すると、外壁そのものへのダメージが直に伝わるようになります。例えば、サイディングボードが反り返ったり、継ぎ目の隙間が大きくなったりと、構造上の問題も引き起こします。そのため、チョーキングが見られた時点で塗り替えを検討するのがベストタイミングと言えます。
今回は耐候性の高いシリコン塗料またはフッ素系塗料での外壁塗装をご提案する予定です。これらの塗料は10年以上の耐久性が期待でき、今後のメンテナンス周期を長く保つことが可能です。お施主様もご予算とのバランスを見ながら、「長く持つ塗料でお願いしたい」とおっしゃっていたため、今後はその方向で仕様を検討していきます。
まとめ
大阪市城東区鴫野西の現地調査では、外壁やベランダを中心に、築年数相応の劣化が随所に見受けられました。目地の劣化、チョーキング、防水層の劣化などは、今後雨漏りや建物劣化を招く要因となるため、今回のようなタイミングでのメンテナンスは非常に良い判断です。山田興業では、専門職人の目でしっかりと状態を確認し、お客様にとって最善のプランをご提案いたします。今後の施工では、耐久性と機能性を兼ね備えた高品質な材料・工法を用いて、お住まいの価値をより長く保てるようしっかりと施工を進めてまいります。
よくある質問
Q1:チョーキングが出てきたらすぐ塗り替えしないといけませんか?
A:チョーキングは劣化のサインですが、すぐに雨漏りするわけではありません。ただし放置すると進行が早まるため、早めの対処が安心です。
Q2:ウレタン防水とシート防水はどちらがいいですか?
A:ベランダの形状や既存の状態によって異なりますが、複雑な形状にはウレタン防水が適しています。今回はその工法をおすすめしています。
Q3:工事期間はどれくらいかかりますか?
A:外壁塗装+防水工事で、天候にもよりますが約10〜14日を目安としてください。
今回の工事に関するコツ
今回のような戸建て住宅で外壁とベランダ防水を同時に行う場合、以下の3点が大きなポイントになります。
まず1点目は、「劣化症状の見極め」です。目地の割れ、チョーキング、ひび割れなどは、外観の美観だけでなく防水性能に直結するため、表面だけでなく細部まで丁寧に確認することが必要です。山田興業では職人の目による点検に加えて、高所にはドローンを活用した撮影で、見逃しのない調査を行います。
2点目は「工事の優先順位を整理すること」です。すべての部位を一度に直すことが理想ですが、予算との兼ね合いで一部に絞ることもあります。その際は、雨水が浸入しやすいベランダや目地、笠木部分を優先するのがコツです。
3点目は「塗料・防水材の選定」です。高耐久な塗料(フッ素系など)を選ぶことで、将来的な塗り替え頻度を抑えることが可能になります。防水材についても、ベランダの形状や利用頻度に応じてウレタン防水やFRP防水など適材適所での選定が重要です。
これらを踏まえた上で、信頼できる業者と密に相談を進めていくことが、失敗しない外壁リフォームの最大のコツと言えます。













