現地調査をしてきました
今回は、大阪府堺市中区辻之にお住まいのお客様より「シャッターの上あたりの壁が崩れてきた気がする」とのお問い合わせをいただき、外壁の部分補修のための現地調査に伺いました。現地には、当社山田興業の職人2名で午前中に到着。天候は快晴で、朝の光が建物の劣化をより一層際立たせていました。
いつも通り、軽トラックにて道幅の狭い住宅街を慎重に通り抜け、目的の建物へと到着。現場に着いてまず目に飛び込んできたのは、シャッター上部のひさし部分の一部崩落です。ひさしの中の構造材がむき出しになっており、波板状の外装材が完全に落下している状態でした。また、シャッター横の外壁にも広範囲にわたる変色と剥離が見受けられ、塗膜の劣化と浸水の痕跡が明確です。
さらに、シャッター前の床面には一部アスファルトが剥がれ、湿気による白化現象も確認されました。現調の結果、今回は単なる「ひび割れ」ではなく、構造的な劣化と内部腐食の疑いがある重大な損傷と判断しました。
施主様には現場を一緒にご確認いただきながら状況を詳しくご説明。その場で補修だけではなく、原因究明と再発防止の観点から小規模な構造補強も提案させていただきました。お客様も「見た目以上にひどいですね。提案ありがたいです」と真剣に受け止めてくださり、後日正式な見積もりをご提示する流れとなりました。
シャッター上部のひさし崩落と外壁の剥離が見つかった原因とは
調査の結果、シャッター上部のひさし部分で発生していた崩落は、主に「経年劣化」と「防水処理の不備」によるものでした。外観から確認できたのは、ひさし部分に使用されていた波板の端部が長年の風雨によって脆くなり、内部の木材まで湿気が回っていたことです。内部の下地が腐食してしまうことで、支持力を失い、重力に耐えきれず崩落したと考えられます。
また、外壁塗装が劣化し、防水性能を喪失していたため、外壁表面からも水が浸入していた可能性があります。特に塗膜が剥がれていた箇所は紫外線の影響により色褪せており、クラック(細かいひび割れ)が生じていました。こうした細部の劣化が、長年にわたり少しずつダメージを蓄積し、今回のような目に見える崩壊につながったのです。
外壁に関しても同様に、湿気と紫外線の影響が重なり塗膜の膨れや剥離が進行。表面だけでなく下地材にも劣化が見られるため、部分的な補修では対応しきれない場合もあります。今回のように「一部が崩れた」タイミングでの調査は、まさに最適な時期であったと言えるでしょう。
補修だけでは不十分?今後必要な工事内容とその理由
今回のようなケースでは「部分補修」で済ませるのが最も一般的ですが、実際にはそれだけでは不十分なことが多くあります。というのも、外から見えている損傷はあくまで“結果”であって、その“原因”が構造内に潜んでいるからです。
まず、ひさし部分については、外装材だけでなく内部構造材も含めた再構築が必要と判断しています。部分的な張り直しでは、再び同じ箇所に雨水が入り、数年後に同様の事態が起こりかねません。そのため、下地の点検・交換と、今後の雨水進入を防ぐための防水層の新設を提案させていただいています。
また、シャッター上部からの雨水がそのまま壁面に流れていく構造だったため、水切りの設置や小型ひさしの増設など、水の流れをコントロールする設計も必要です。これにより、雨水による再劣化を防止するだけでなく、美観の向上にも繋がります。
外壁の塗装については、現時点では「部分塗装」が可能ですが、将来的には全面塗装の検討も視野に入れておくと安心です。見た目を整えるだけでなく、耐久性の維持と美観のバランスが保たれるためです。
補修工事を行う上での注意点と山田興業のこだわり
今回のように、外壁の一部が剥がれたり構造物が崩れた場合、仮に工事を行うとしても「安全性の確保」と「近隣への配慮」が大前提になります。堺市中区辻之周辺は住宅が密集しており、作業スペースの確保や資材置き場の設置が困難なケースも想定されるため、まずは足場の設置計画と通行人の動線確保が必須です。
また、シャッター周辺の作業ではシャッターを開けたままの作業が続くことになるため、セキュリティ面の配慮として仮設養生シートや簡易ロックの導入を提案いたします。工事期間中の安全はもちろんのこと、お客様が日常生活をできる限り通常通り送れるようにすることも我々の大切なミッションです。
山田興業では「見えない部分こそ丁寧に」を信条に、外壁の内部構造の状態までしっかり確認した上で、見た目にも美しく、そして長く持つ工事を心がけています。また、調査段階からお客様の不安や疑問にお応えするため、LINE報告・写真報告を導入しており、進捗状況がわかる点でもご好評いただいています。
今後の提案内容と補修スケジュールについて
現地調査を踏まえ、今後は以下のような補修プランを中心にご提案する予定です。
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ひさし部分の解体と再構築(構造材交換、防水層設置)
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外壁の部分補修+部分塗装(クラック補修含む)
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シャッター周囲の水切り設置と排水設計
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床面の補修工事(アスファルトまたはコンクリート補修)
これらを段階的に進めることで、建物全体の安全性と美観を回復させるとともに、再発防止にも繋げてまいります。
スケジュールとしては、まず1〜2日間の解体・構造補強工事を実施し、その後に塗装・美装を行う計画です。トータルで5日〜7日を想定していますが、天候や部材の到着状況によって前後する可能性がありますので、施主様と連携を取りながら調整してまいります。
また、工事の進行に合わせて逐次報告を行い、安心してお任せいただけるよう全力で対応いたします。
まとめ
大阪府堺市中区辻之で行った今回の外壁部分補修の現地調査では、外観以上に深刻な劣化が確認され、単なる塗装補修では解決できない構造的な問題が明らかになりました。山田興業では見た目だけでなく、建物の“本質的な安全性”と“再発防止”を第一に考えたご提案をさせていただきます。
よくある質問
Q1. 部分補修でも長持ちしますか?
A. はい。ただし、内部構造の劣化がない場合に限ります。構造部が腐食している場合は補強工事が必要です。
Q2. 雨漏りが起きる前に対策できますか?
A. 外壁のクラックや剥離は雨漏りの前兆です。早めの調査で大きなトラブルを防げます。
Q3. 工事中は家にいないといけませんか?
A. 基本的には外作業中心のため、ご不在でも問題ありません。進捗報告はLINEや写真で対応可能です。
今回の工事に関するコツ
今回のように「一部が崩れた」「外壁が少し剥がれた」といった症状は、一見すると軽微な問題に見えるかもしれませんが、実際には建物全体に影響を及ぼす重大なサインであることが多いです。特にシャッター上部のひさしは、風雨の影響を最も受けやすい部分であり、防水処理が不十分な場合には早期に劣化が進行します。
このようなトラブルを未然に防ぐためには、「部分補修」で済むうちに対応することが重要です。定期的な外壁点検はもちろん、異変を感じた時点での早期連絡が建物の寿命を延ばす第一歩です。山田興業では、こうした外壁や屋根の小さな変化も見逃さず、構造の裏側まで丁寧に調査・診断を行います。
また、補修工事を成功させるコツの一つが「補修+再発防止策」をセットで考えることです。今回のように水切りの設置や構造の見直しを同時に行うことで、見た目も性能も格段に改善されます。「今ある問題」だけに対応するのではなく、「将来起こり得る問題」に備える視点が大切です。