現地調査をしてきました
今回は、大阪府摂津市別府にて、屋根塗装工事をご検討中のお客様からのご依頼を受け、現地調査を実施しました。朝8時に本社を出発し、今回は少し肌寒さの残る秋晴れの中、原付バイクに乗って現地へ向かいました。道中、通学中の子どもたちが元気に挨拶してくれる姿にこちらも自然と笑顔に。気持ちのよいスタートを切ることができました。
到着後は、さっそくドローンを使って屋根の高所点検を実施。お客様宅は切妻屋根で、波型スレートが施工されているタイプでした。ドローン映像から確認できたのは、屋根全体にわたって色あせが見られることと、複数箇所におけるスレートの差し替え跡。特に目立ったのは白く光る板材で補修された箇所で、周囲のスレートとは材質も色も異なり、雨漏りや破損の補修として後から手を加えられた可能性が高いと判断しました。
また、南側に設置された天窓(トップライト)の周辺にも雨染みのような変色が確認でき、過去に水の侵入があった可能性があります。天窓周辺のコーキング劣化や、納まり不良が懸念されるため、こちらも合わせて点検の必要があると判断いたしました。
お客様へのヒアリングでは「前の補修から10年以上経っており、そろそろ全面的なメンテナンスを」とのこと。今後の耐久性と防水性を考慮し、塗装だけでなく必要に応じて板金補修もご提案させていただく旨をお伝えしました。
スレート屋根の経年劣化と雨漏りリスクの関係性について
今回調査したスレート屋根には、表面塗膜の劣化と複数箇所の差し替え跡が確認できました。一般的にスレート屋根は10~15年程度で塗膜が劣化し始め、表面の撥水性が失われると、苔・カビの発生やひび割れが進行しやすくなります。今回の屋根も、日照が少ない北面を中心に色むらや黒ずみが目立ち、既に防水性能がかなり低下している状態と判断できます。
また、既存のスレートの一部が白色や黒色の板材に差し替えられていたことから、以前に飛散や破損、もしくは雨漏りへの対処がなされた形跡がありました。これらの補修箇所の材質が周囲のスレートと異なるため、今後の気温変化や雨風の影響により再度ズレや隙間が発生する可能性も考慮すべきです。
特に天窓(トップライト)周囲は、雨水が溜まりやすく、施工不良やコーキング切れがあると雨漏りリスクが高まります。今回の現地調査でも、トップライト脇に色の変化や波打ちが見られたため、現状では軽度の水の侵入が疑われます。実際、天井や壁内に症状が現れる頃には、構造部までダメージが及んでいることもあるため、早期対処が不可欠です。
屋根塗装だけでなく補修も必要な理由と、今後の工事の方向性
屋根の塗装工事は、見た目を美しく保つためだけでなく、防水性を回復させ、建物全体の寿命を延ばす重要なメンテナンスです。しかし、今回のようにスレート材の差し替え跡が複数ある場合、単純に塗装を行うだけではリスクを残すことになります。
まず差し替えた部分の素材が異なれば、塗料の密着性や仕上がりにも差が出る可能性があるため、塗装前に材質の確認および再調整が必要です。また、一部のスレートは既に端部が浮いており、屋根材の下に雨水が回り込む恐れがあるため、下地の状態も念入りに調査することを提案しました。
お客様には、屋根全面の高圧洗浄と下地処理、シーラー塗布による密着強化を行った上で、シリコン系の高耐久塗料による2回塗り仕上げをご提案しました。また、補修跡が多く残る箇所については、部分的な板金施工やタスペーサー挿入による縁切り処理も行うことで、通気性と排水性を確保しながら美観性も回復できる内容としました。
工事の際に注意すべきポイントと現場対応の工夫
屋根塗装工事を行う上で特に注意すべき点は「天候」と「安全管理」です。特に今回のような勾配の強い切妻屋根では、足場の設置が必須です。足場が不十分であると職人の作業効率が落ちるだけでなく、転落などのリスクが高まります。弊社では安全帯の着用を義務付けるだけでなく、朝のKY(危険予知)活動も徹底しております。
また、屋根の洗浄作業時には、高圧洗浄機の圧力調整が重要になります。経年劣化したスレートは表面が脆くなっていることも多く、過度な水圧をかけると破損につながるため、状況に応じて圧力を調整しながら丁寧に作業を行います。
さらに、近隣への配慮も不可欠です。塗装工事では塗料の飛散や臭気が問題になる場合があるため、事前にご近所様へのご挨拶を徹底し、養生ネットを張って作業中の飛散防止を行います。山田興業では、施工前後の写真付き報告書をお客様に提出し、作業の透明性を確保していますので、初めての方にもご安心いただけます。
現地調査を経てご提案する今後の工事内容と工程の流れ
今回の現地調査をもとに、屋根塗装に加えて以下の内容をご提案させていただきました。
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高圧洗浄作業:屋根表面にこびりついた苔・汚れ・旧塗膜を除去。
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下地補修:差し替え跡や浮き箇所の再固定、破損部分の板金補修。
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下塗り(シーラー):吸い込みを抑え、上塗りとの密着を高める。
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中塗り・上塗り:シリコン系高耐久塗料を使用。
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トップライト周辺のコーキング補修:雨水侵入防止。
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完工後の写真付き報告・保証書発行:施工内容の可視化と安心対応。
工期は天候にもよりますが、約3日〜4日間を予定しております。事前に足場を組み、雨天が予想される場合は適切に日程を調整して安全第一で進めてまいります。お客様には「丁寧に説明してもらえて安心した」「前回の補修ではここまで詳細には見てもらえなかった」と嬉しいお言葉もいただけました。
まとめ
大阪府摂津市別府にて実施した今回の屋根塗装工事に向けた現地調査では、複数の補修跡や経年劣化の症状が確認されました。調査結果を踏まえたうえで、塗装だけでなく下地補修や防水処理を含めた総合的な対応を提案させていただいております。山田興業では今後も「職人の目」と「お客様の声」を大切に、地域に根ざした丁寧な施工を心がけてまいります。
よくある質問
Q1:屋根の色あせはすぐに塗装が必要ですか?
A:色あせがある場合、防水性能が低下している可能性が高いです。放置すると屋根材の劣化が進行するため、早めの塗装をおすすめします。
Q2:天窓がある屋根でも塗装できますか?
A:可能です。天窓周辺は雨漏りリスクが高いため、特に注意を払って施工いたします。コーキング処理も併せて行います。
Q3:補修跡が多い屋根でも塗装可能ですか?
A:はい、可能です。ただし、材質によっては塗料の選定が必要なため、事前の調査と適切な補修が重要となります。
今回の工事に関するコツ
今回のようなスレート屋根の塗装工事では、事前の下地処理が仕上がりを大きく左右します。まず高圧洗浄で苔や汚れをしっかり除去することが重要です。そのうえで、下塗りに使用するシーラー選定がカギとなります。吸い込みが激しい屋根には浸透性の高いタイプ、密着力重視ならエポキシ系など、材質に応じた選択が求められます。
また、差し替えスレートの上にもムラなく塗布するには、ローラーの選び方や施工スピードの調整が必要です。仕上げ塗料も、遮熱性や耐久性に優れたものを選べば、次回のメンテナンス時期を延ばすことができます。
そして見落としがちなのが天窓まわりの処理。古くなるとコーキングが硬化してひび割れや隙間が生じるため、塗装とあわせて交換・補修を行うと安心です。山田興業では、これらすべてを一貫して対応できる経験と技術がありますので、初めての方もお気軽にご相談ください。