現地調査をしてきました
今回、現地調査に伺ったのは大阪府高槻市野田にある戸建て住宅です。車での移動中にちょうどお盆明けの暑さがぶり返し、滝のような汗をかきながらの調査でしたが、お住まいを大切にされているお客様のお気持ちに応えるべく、丁寧な目視・触診による点検を行いました。
まず目についたのは外壁の一部に黒ずみが発生している箇所です。これは長年の雨だれや汚れ、そして苔やカビの繁殖によるものです。特に日当たりの悪い面は湿気が溜まりやすく、通気性が悪いことで菌類の繁殖が促進されていると判断できます。
また、外壁のコーナー部分やサッシ周りにクラック（ひび割れ）やシーリング材の破断・劣化が見受けられました。これらは雨水の侵入経路となり、将来的に雨漏りの原因となり得るため、しっかりとした補修が求められます。
さらに、サイディングの目地シーリングが硬化してひび割れている状態や、基礎部分にまで雨染みが広がっている点なども確認しました。
これらの劣化症状は築10年以上経過した住宅でよく見られる現象であり、外壁塗装のタイミングとしては非常に適切な時期であると考えられます。現地調査の結果を踏まえて、外壁塗装だけでなくシーリング打ち替えや下地補修を含めたご提案を進めさせていただく流れとなりました。
外壁に発生していた汚れやカビの原因と今後の対策
外壁に見られた黒ずみや苔、カビの発生は、見た目の問題だけでなく建物の寿命を縮める要因でもあります。これらの原因は、主に雨水の跳ね返り、結露による湿気、周囲の植物による胞子の付着などが考えられます。
特に北面や日当たりの悪い箇所は乾燥しづらく、長期間湿った状態が続くため、カビや苔の温床になります。今回のお宅も北面の基礎付近に汚れの集積が見られたため、防水性が低下しているサインと捉えられます。
このような場合、単なる高圧洗浄だけでは根本的な解決にならず、外壁の防水性能自体を再構築する必要があります。塗料の選定としては、防藻・防カビ性能に優れた塗料、例えば水性シリコン系や無機塗料の採用がおすすめです。
また、基礎部分までの汚れを考慮し、基礎巾木専用の保護塗料で仕上げることで、見た目の美しさだけでなく防水性の向上にもつながります。雨水の跳ね返りを防ぐために、グラベル（砂利）部分の傾斜調整も検討するとより効果的です。
今回の外壁リフォーム提案では、これらの対策を含めて、建物全体の保護と美観向上を両立する施工プランを設計中です。
シーリング材の劣化が雨漏りの原因に直結する危険性
外壁サイディングの継ぎ目に施工されているシーリング材は、建物の防水性を保つ重要な役割を担っています。しかし、今回の調査ではそのシーリングが硬化してひび割れ、さらには完全に破断している箇所も複数確認されました。
このような状態になると、雨水が外壁の内部へと浸透していき、下地の木材や断熱材が腐食してしまう恐れがあります。また、放置しておくと室内への雨漏りやカビの発生、ひいては建物全体の構造劣化へとつながってしまうため、早急な補修が必要です。
適切な対処法としては、古くなったシーリングをすべて撤去し、新しい高耐久型のシーリング材に「打ち替え」することが基本です。打ち増しではなく、しっかり撤去して新規充填することで、防水性と柔軟性を取り戻せます。
今回は、外壁塗装前の下地処理としてシーリングの全面打ち替えを提案し、お客様にもその重要性をご理解いただけました。今後の工程として、足場設置後にシーリング施工を優先的に実施し、その後の塗装工程に進む予定です。
サッシ周りのクラックと雨染みによる影響と補修方法
窓サッシ周りは雨水の浸入リスクが特に高い箇所であり、今回も例外ではありませんでした。現地調査時に確認できたように、サッシの下部やコーナー部分にクラックや黒ずみ汚れが目立ち、内部への雨水浸入が懸念される状態でした。
このような症状の原因は、サッシ取り付け部と外壁の取り合い部分の隙間から水が入り込み、外壁内で滞留した結果、表面に染み出したものと考えられます。場合によっては内部の断熱材が湿気を含み、カビや異臭の発生を招いてしまう恐れもあるのです。
補修方法としては、まず周辺のシーリングの打ち直しが最優先。さらに必要に応じて、部分的な外壁の下地補修やシート防水材の挿入といった処置も視野に入れています。また、塗装後に同様の問題が再発しないよう、使用する塗料には透湿性を確保したものを採用予定です。
建物の寿命を伸ばすためにも、こうした細部への対応が非常に重要であり、山田興業では一つ一つの作業工程を妥協せずに行ってまいります。
まとめ
大阪府高槻市野田で実施した今回の現地調査では、外壁の汚れや苔の発生、目地のシーリング劣化、サッシ周りのクラック、基礎の雨染みなど、多岐にわたる劣化症状を確認いたしました。どれも放置すれば建物への深刻なダメージに繋がりかねないため、外壁塗装と併せてシーリングの全面打ち替えや下地補修を提案いたします。
お客様も調査報告を真剣に受け止めてくださり、今後の施工に前向きな姿勢を示してくださいました。施工計画では、防藻・防カビ性の高い塗料の使用と、高耐久なシーリング材を採用することで、見た目の美しさだけでなく住宅の耐久性も確保いたします。
外壁の現地調査を通じて、お住まいの小さな劣化を見逃さず、将来的なトラブルを防ぐための第一歩を踏み出していただければと思います。山田興業では、今後もお客様の住まいを守るため、真摯に対応してまいります。
よくある質問
Q. 外壁に黒い汚れが出てきたのですが、これはカビでしょうか？
A. はい、外壁に発生する黒い汚れの多くはカビや苔、排気ガス汚れです。放置すると建物への悪影響もあるため、外壁洗浄や塗装を検討されることをおすすめします。
Q. シーリングはどれくらいの年数で劣化しますか？
A. 一般的には10年程度で劣化が始まります。定期的な打ち替えが必要です。ひび割れや硬化が見られたら、早めの対応をおすすめします。
Q. 塗料の種類は選べますか？
A. はい、防カビ・防藻・耐久性・遮熱など、さまざまな性能をもつ塗料を取り揃えています。ご希望に合わせてご提案いたします。
今回の工事に関するコツ
外壁塗装やシーリング補修を成功させるための最大のコツは、現地調査での「劣化の正確な把握」と「下地処理の丁寧さ」にあります。いくら高性能な塗料を使用しても、下地に不備があれば本来の効果は発揮されません。今回のように外壁に苔やカビが付着している場合は、まず高圧洗浄で徹底的に汚れを落とし、殺菌処理を行うことで再発を防ぐ土台を作ることが重要です。
また、シーリングはただ充填するだけでなく、旧シーリングの完全撤去、プライマー処理、新規充填、ヘラ押さえまで一連の流れを丁寧に行うことが、長期的な防水性の維持に直結します。安易な打ち増しでは一時的な改善しか得られません。
塗料選びにおいても「高ければ良い」ではなく、建物の状態・立地環境・ご家族のニーズに合わせて最適なものを選ぶことがポイントです。たとえば、日当たりが悪く湿気が多い場所には防藻・防カビ機能を重視すべきですし、屋根との配色バランスも含めてカラーシミュレーションを行うと、完成後の満足度が高くなります。
山田興業では施工前後のアフターフォローも徹底しており、年1回の無料点検を通じてお住まいの健康状態を継続的にチェックしています。こうした細やかな対応が、安心・信頼のリフォームへと繋がっています。
