現地調査をしてきました
今回は、大阪府高槻市芝谷町にて「屋根カバー塗装工事」のご相談をいただき、現地調査に伺ってまいりました。普段は車で向かうことが多いのですが、今回は秋晴れで空気も澄んでいたため、バイクで現場まで快走。気持ちの良い朝に、調査への意気込みも自然と高まりました。
現場は築20年以上の木造2階建て住宅で、スレート屋根が採用されていました。お施主様からは「屋根の汚れと色褪せが気になってきた」とのことで、そろそろ塗り替え時期かどうか判断してほしいとのご依頼です。
まずはドローンを使って上空から全体を撮影・確認。添付の画像でもご覧いただける通り、屋根には広範囲にわたり色ムラやコケの発生、さらに塗膜の剥がれが確認できました。棟板金の浮きも一部見られ、雨水の侵入リスクが高まっている状態です。特に北面においては苔とカビの繁殖が目立ち、洗浄と再塗装だけでは保護性能に不安が残るため、カバー工法のご提案も視野に入れてお話を進めてまいりました。
現地調査中、お施主様からは「前回の塗装から10年以上経っている」とのお話もあり、下地の状態も不安視されていました。実際、指で軽く触れただけでもチョーキング(粉化現象)が起きており、既存塗膜の劣化が進行していることが明らかです。
今回の調査を通じて、屋根の全体的なメンテナンスが必要であると判断し、現状の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」と、下地の状態が軽微であれば「高圧洗浄+下地補修+高耐候塗料による塗装仕上げ」の2案をご提案することとなりました。
屋根に広がる色ムラと劣化、塗装だけではカバーできない問題点
今回の高槻市芝谷町の現場では、屋根全体に広がる色ムラと塗膜の劣化が印象的でした。特に南面では紫外線の影響を受けやすく、屋根材表面がかなり退色しており、素地が露出している箇所も確認されました。一方、北面は苔と黒ずみが多く、湿気が溜まりやすい環境であることが伺えます。
これらの状況から、単純な塗り替えだけでは今後の耐久性や防水性能に不安が残る点が大きな課題です。特に屋根材そのものが経年劣化によって脆くなっており、今後の台風や積雪時に破損するリスクも考慮しなければなりません。
また、棟板金の一部には浮きや釘抜けが見られ、風で煽られた際に剥がれや飛散の危険性もあります。棟板金は屋根の防水機能を担う非常に重要な部分であり、今回のような症状が出ている場合には早期の補修が必要です。
このように、「ただ塗る」だけでは解決できない屋根の根本的な劣化が進行している場合、カバー工法によって屋根全体を新しく覆い直すことが最も安全で確実な選択となります。塗装工事はコストを抑える面では魅力的ですが、10年後、20年後の安心を考えたとき、耐久性重視の工法選びが問われる現場でした。
屋根カバー工法をご提案する理由とメリット
現地調査の結果、屋根塗装かカバー工法のいずれかを選択する必要があることが明らかになりました。その中でも、私たち山田興業としては「屋根カバー工法」のご提案を中心に進めさせていただきました。
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、その上に新たな金属屋根材(ガルバリウム鋼板など)を重ねて施工する方法です。既存屋根の撤去費用や廃材処分が不要となるため、コストパフォーマンスにも優れており、工期も短く済むのが特徴です。
また、断熱材付きの金属屋根を採用することで、夏の熱気や冬の寒さから家を守る断熱性能の向上も期待できます。音の反響や耐風性能にも優れ、見た目にも新築のような美しさを取り戻すことができます。
お施主様にも、過去に台風の被害を受けた経験があり「どうせやるならしっかりした屋根にしたい」とご希望がありました。私たちの説明に真剣に耳を傾けてくださり、屋根材の実物サンプルを確認いただいた際には「この質感なら安心できそう」とご納得いただけたご様子でした。
カバー工法にすることで、次回のメンテナンス時期も大きく延ばすことができ、将来的なコスト面でも非常に合理的な選択になります。今回は特に、建物自体がしっかりしているため、構造的にカバー工法に最適な状態であることも、提案を後押しした要因です。
現地調査を通して見えた工事で注意すべきポイント
今回の芝谷町での現場は、立地条件や屋根の形状から、いくつかの注意点が浮かび上がってきました。まず、屋根は「寄棟(よせむね)」と呼ばれる4方向に傾斜を持つ形状であり、雨水が一か所に集中しにくい反面、棟板金の交差部や谷樋部分に水が溜まりやすいという弱点があります。
このような屋根形状では、板金やコーキング処理の丁寧さが防水性能に直結します。とくに谷樋部分にはゴミや枯れ葉が溜まりやすく、放置しておくと雨漏りの原因になります。施工時には谷部の清掃を徹底し、排水の流れを確保することが重要です。
また、現場は住宅が密集するエリアにあるため、足場の設置や資材の搬入にも気を配る必要があります。近隣住民の方々に迷惑をかけないよう、工事前にはしっかりと挨拶まわりを行い、騒音・振動の対策についてもご説明する予定です。
屋根の傾斜が比較的急なため、安全帯の使用や作業員の安全確保にも万全を期します。屋根工事においては、職人の安全が確保されてこそ、質の高い仕上がりにつながります。
最後に、今回の屋根材は重ね葺きに適した構造ではあるものの、下地の腐食状況も気になるため、施工前に一部の棟部を開けて下地確認を行う予定です。万一、野地板や垂木に痛みが見られる場合は、部分補修を行ってから屋根材を被せることで、より長持ちする工事となります。
今後のご提案内容とお客様の反応
今回の現地調査の結果をもとに、山田興業からは2つの施工プランをご提案させていただきました。
1つ目は、現状の屋根に対して高圧洗浄を行い、補修のうえで高耐候性塗料を使った「屋根塗装プラン」。コストを抑えつつ、見た目の美しさと防水性の回復を図る方法です。耐用年数は10〜15年を見込んでいます。
2つ目は、劣化が進んだ屋根材を下地ごと覆い隠す「屋根カバー工法プラン」。ガルバリウム鋼板を使用し、耐用年数は20〜30年。初期費用はやや高くなりますが、将来的なメンテナンスコストを抑えることができます。
お施主様ご夫妻は、「この先20年安心して暮らせるなら、長持ちする方がいいですね」と、カバー工法に大きく興味を持たれた様子でした。また、カラーシミュレーションによる屋根色の提案も行い、実際に画面上で住宅の雰囲気がガラリと変わる様子を確認していただけたのも好評でした。
今後はお見積り提出後、最終的な屋根材の選定・色決め・施工スケジュールの調整へと進めてまいります。山田興業では、ご提案から施工完了後のアフター点検まで一貫して対応いたしますので、初めての工事でも安心してお任せいただけます。
まとめ
今回の高槻市芝谷町での屋根現地調査では、築年数20年以上のお宅のスレート屋根に広がる劣化が顕著に確認されました。色褪せ、苔、塗膜の剥がれ、棟板金の浮きなど、塗装だけでは対処しきれない課題が多く見られたため、「屋根カバー工法」をメインにご提案させていただきました。
お客様の不安やご要望をしっかりヒアリングし、最適な工事プランをご提案することが、私たち山田興業の強みです。今後もご信頼いただける施工を心がけてまいります。
よくある質問(Q&A)
Q. 屋根のカバー工法と塗装はどう違うのですか?
A. 塗装は既存屋根をそのまま使用し表面を保護する方法、カバー工法は既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法です。カバー工法は耐久性が高く、下地劣化にも強いのが特長です。
Q. カバー工法は重たくなって建物に負担はかかりませんか?
A. 使用するガルバリウム鋼板は軽量で、スレート屋根に重ねても建物への影響はほとんどありません。
Q. 屋根工事中は普段通り生活できますか?
A. はい。足場設置や工事の音などはありますが、基本的にはご在宅でも問題ありません。詳細は工事前にしっかりご説明いたします。
今回の工事に関するコツ
今回のような屋根カバー塗装工事において、成功のカギとなるのは「適切な現地調査」と「状況に応じた柔軟な提案力」です。見た目だけでは判断できない下地の劣化や板金の浮き、苔の繁殖など、ドローンや目視調査を駆使して問題点を見逃さないことが大切です。
また、屋根の状態によっては「塗装では追いつかないケース」もあるため、カバー工法や葺き替えといった選択肢をしっかり比較し、耐用年数・費用・メンテナンスの観点からお客様にとってベストな方法をご提案する姿勢が求められます。
そして工事を進めるうえでは、「屋根の形状・立地条件・近隣との距離感」を考慮した段取りや、職人の安全管理、工程管理の徹底も不可欠です。加えて、近隣への挨拶や騒音対策といった配慮も、地域密着の山田興業が大切にしているポイントです。
最後に、お客様との信頼関係を築くためには、調査時の丁寧な説明・資料の共有・カラーシミュレーションなど、安心材料をどれだけ提供できるかが鍵となります。屋根工事は人生で何度も経験することではありません。だからこそ、納得していただける提案と、安心して任せられる施工体制が必要なのです。
山田興業では、こうしたポイントを踏まえた高品質な工事を提供しております。屋根リフォームをご検討の際は、ぜひご相談ください。