現地調査をしてきました
今回は、大阪府高槻市浦堂にお住まいのお客様からのご依頼で、屋根の劣化が気になるということで現地調査に伺いました。朝一番で事務所を出発し、名神高速を利用して現場へ。天候にも恵まれ、日差しのもとで屋根の状態をしっかり確認することができました。
お宅は築20年以上の2階建て住宅で、屋根は化粧スレート(コロニアル)材が使用されていました。到着してまず目に入ったのは、全体的な色あせと藻の付着、そして表面のチョーキング現象。特に北面に近い部分には日陰となる影響もあって、苔や藻の繁殖が目立っていました。また、屋根材の端部には小さなひび割れや反りも確認され、紫外線や風雨の影響による経年劣化が進行している様子でした。
ドローンと高所カメラを使って各面の状況をくまなく確認し、雨漏りなどの兆候がないか、板金の浮きや釘抜けがないかも入念にチェック。今回は、お客様の「できれば張り替えより費用を抑えつつ、しっかり保護できる方法を選びたい」というご希望もあり、屋根カバー工法、特に「Cガード工法」のご提案へとつながる流れとなりました。
経年劣化による色あせと表面の脆弱化が進行中
今回調査した屋根は、築年数から見ても劣化が進みやすい時期にありました。特に紫外線や雨風が直接当たる南面は、表面の塗膜がほぼ完全に消失しており、素地がむき出しになっている状態でした。表面に手を当てると白い粉が付くチョーキング現象が顕著で、これは塗料の樹脂成分が劣化して粉化しているサインです。
また、屋根材そのものも反りや浮きが目立ち、全体的な防水性能の低下が疑われました。雨漏りの直接的な痕跡はなかったものの、このまま放置すると防水シートの破れや屋根下地への浸水などにつながるリスクがあります。こうした劣化状況は、定期的なメンテナンスを怠ることで加速度的に悪化するため、今後の被害拡大を防ぐ意味でも早めの対応が必要です。
特に、苔や藻の繁殖は見た目の問題だけでなく、湿気を長時間保持することで屋根材そのものの劣化を早めます。高槻市のような比較的湿度の高い地域では、こうした植物性汚れの発生率が高く、今回も例に漏れず明確に確認されました。
屋根カバー工法「Cガード」の選定理由とその優位性
お客様が抱えていた「屋根全体の耐久性を上げたいが、なるべく予算を抑えたい」「屋根の張り替えは大掛かりで心配」という思いに対し、私たちがご提案したのが「Cガード屋根カバー工法」です。これは既存のスレート屋根を撤去せず、上から新たな金属屋根材(ガルバリウム鋼板)を被せることで、防水性・耐候性を格段に高められる工法です。
Cガード工法は、既存屋根を活かすため廃材がほとんど出ず、環境にもやさしいのが特徴。また、撤去作業がないため工期が短く、費用も張り替えに比べて抑えられるという大きなメリットがあります。使用する金属材は断熱性と耐久性に優れたものを採用し、30年以上のメンテナンスフリーが可能なケースもあるのです。
加えて、屋根の形状や構造を変えずに施工できるため、既存建物との一体感が失われないという点も魅力の一つ。今回の住宅では、急勾配があるわけではないため、施工面でも安全に進められる判断ができました。
今後の施工に向けて注意すべきポイント
Cガード工法を施工する際には、まず既存屋根の状態確認が極めて重要です。今回の現場でも、既存スレートの浮きや破損部位をあらかじめ補修してから施工する必要があるため、事前に補修計画も含めた施工スケジュールを調整します。
また、棟板金の下地木材(貫板)の状態も確認した結果、数カ所にわたり腐食が進んでいる部分がありました。ここは交換のうえ、ステンレスビスでの再固定を予定しています。さらに、屋根に配管類やアンテナ基部が設置されていたため、これらを一時的に移設しながら安全に施工する計画を立てています。
作業中は近隣への粉塵・騒音対策も徹底します。特に高槻市浦堂の住宅地は静かな環境が多いため、工事時間の配慮や、事前のご挨拶周りで不安を解消していくことも重要です。
まとめ
今回の現地調査を通じて、お客様の屋根は見た目以上に劣化が進んでいる状態でした。とはいえ、まだ致命的な破損は見られなかったため、早めのカバー工法施工が極めて有効なタイミングと判断しました。山田興業では、お客様のご要望を細かく伺いながら、最適な施工方法をプロの視点でご提案しています。
高槻市エリアではこれまでも多くの屋根工事実績があり、地元特有の気候や建物の構造に即した最適解を熟知しています。施工後も定期点検などアフターサポートを充実させ、お客様の大切な住まいを守り続けていく姿勢に変わりはありません。
よくある質問
Q1. カバー工法と張り替えの違いは?
A1. カバー工法は既存屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を施工する方法です。廃材が少なく、コストや工期を抑えられるのが特徴です。
Q2. 屋根のカバー工法はどれくらい持ちますか?
A2. 使用する金属屋根材によりますが、ガルバリウム鋼板を使えば30年以上メンテナンスフリーが期待できます。
Q3. 工事中に雨が降ったらどうなるの?
A3.天候に応じて工程を調整し、万が一の雨天時にはブルーシートなどで完全養生を施して雨漏り対策を徹底します。
今回の工事に関するコツ
屋根カバー工法を成功させるためには、事前の調査と丁寧な下地処理が何より重要です。今回のように、表面の劣化が進んでいても、下地構造がしっかりしていればカバー工法で十分対応可能です。しかし、浮きやひび割れを放置したまま施工すると、将来的に施工材と既存屋根との間に隙間ができ、結露や劣化の原因となる恐れがあります。したがって、屋根の状態を的確に把握し、必要に応じて一部の補修や棟板金の交換を行ってから本施工に入ることが理想です。
また、屋根の形状や立地によっては、使用する屋根材の厚みや施工方法も調整が必要です。例えば、風の強い地域では屋根材をしっかり固定するために、ビスのピッチ(間隔)を細かく設定するなどの工夫が求められます。さらに、工事中は安全管理も重要で、特に足場の設置や高所作業の安全帯使用を徹底することが、事故防止につながります。
最後に、お客様とのコミュニケーションも欠かせません。現地調査時に不安や疑問をしっかりヒアリングし、その内容を施工計画に反映させることで、お客様にとって納得のいく工事が実現できます。山田興業では、初めての方でも安心して工事をお任せいただけるよう、わかりやすい説明と誠実な対応を心がけています。