大阪府茨木市 K様 漆喰補修工事

- BEFORE

- AFTER
- 施工について
- 今回の工事は、費用を抑えつつも最も傷みの激しい部分への「応急的かつ実効性の高い補修」を目的とし、以下の工程で施工を行いました。
① 既存漆喰の撤去作業
まず、剥がれかけた漆喰と、その周辺で浮いていた部分を全て手作業で除去。割れや変色、触るとポロポロ崩れるような脆化していた部分も慎重に取り除き、健全な下地が現れるまで丁寧に作業しました。この作業を中途半端に済ませると、新しい漆喰の密着性が損なわれるため、耐久性に大きく関わる重要な工程です。
② 新規漆喰の充填施工
次に、白色の調合漆喰を使用し、丁寧に充填。使用した漆喰は、通気性と防水性に優れ、かつ乾燥後もひび割れしにくい配合の製品を選定しました。棟の角度や勾配を考慮し、余分な水がたまらないよう、雨水の流れを阻害しないように形状も整えています。
③ 瓦のずれ補正
補修箇所に隣接した棟の一部で、瓦が数センチ程度ずれていた箇所を確認。おそらく強風や地震の影響によるものと思われ、漆喰が剥がれるとともに瓦も動きやすくなるのはよくある事例です。このため瓦の位置を調整し、仮固定を施しました。
④ 他劣化箇所の応急補修
お客様と屋根上の状態を一緒に確認し、他にも複数の軽微な劣化(浮いた漆喰、細かな割れなど)が見られた箇所に対して、変成シリコン系の補修材で簡易的に雨水の侵入を防ぐ処置を実施しました。限られたご予算内で、できる限りのリスク低減を図っています。
施工詳細
| 施工内容 | 屋根工事、雨漏り修繕工事 |
|---|---|
| 施工期間 | 1日間 |
| 作業内容 | 漆喰補修 |
| 建物の元々の状態・課題点 | 今回の建物は、築約35年の木造瓦屋根住宅です。過去に屋根の全面改修や塗装などの履歴はなく、屋根全体に経年劣化が見られる状態でした。特に棟瓦の下にある「漆喰」が、紫外線や降雨、夏冬の気温差の影響で風化しており、部分的には既に脱落して中の葺き土が露出している状態でした。 葺き土とは、瓦の下に敷かれている土で、瓦の固定や防水・通気性に重要な役割を担っていますが、これが剥き出しのまま放置されると、雨水を直接吸収してしまい、下地の木材や野地板にまで水が回ることで雨漏りや腐食の原因となります。 |
| 施工担当者のコメント | 漆喰の劣化は見落とされがちですが、屋根全体の防水性能を維持するうえでとても重要です。特に築30年を超える瓦屋根では、棟部や鬼瓦周辺の漆喰が風化していることが非常に多く、放置すると雨漏りの原因になるだけでなく、瓦の落下による事故にもつながる恐れがあります。 今回のような部分補修であれば、費用を抑えつつ、リスクの高い部分のみをピンポイントで対処することが可能です。ただし根本的な解決には、棟全体の積み直しや全面改修が必要になる場合もあります。今回は「まずは雨漏りを止める」ことを目的に応急処置を実施しましたが、今後5〜10年の間で本格的な屋根改修をご検討いただくことをおすすめいたします。 |
| お客様の声 | 「屋根のことは正直よく分からなかったのですが、丁寧に状態を説明してくれて安心しました。すぐに対応してもらえてよかったです。次は点検もお願いしようと思います。」 |
| 漆喰補修のコツ | ① 漆喰は「劣化の度合い」を正しく見極める 一見すると軽微な剥がれや変色でも、内部で漆喰が浮いていたり、すでに密着力を失っている場合があります。表面だけを見て判断せず、周囲の漆喰や瓦の状態まで含めて慎重に確認することが重要です。 ② 撤去作業は「必要最低限ではなく、適切な範囲」で 部分補修の場合、「剥がれた箇所だけを埋める」施工では逆に不具合の原因になります。古い漆喰が残っていると、新しい漆喰との間に隙間ができ、そこからまた浮き・剥がれが発生します。健全な下地が露出するまでしっかり撤去するのが基本です。 ③ 新規漆喰は「雨水の流れを意識した形状」に整える 施工後の漆喰は、表面の仕上がりが耐久性にも直結します。特に棟瓦下の漆喰は、雨が流れる構造を妨げないよう水切れの良い勾配と角度を意識して形を整えることがポイントです。 ④ 施工日は「湿度と乾燥時間」を見極める 漆喰は湿気が多すぎると硬化不良を起こしやすく、乾燥が早すぎるとひび割れや収縮による浮きの原因になります。曇り〜晴れの安定した日に作業を行い、雨の前後は避けるのがベストです。 ⑤ 周辺の瓦や鬼瓦の「動き・ゆがみ」も同時にチェック 漆喰が剥がれるタイミングで、周辺の瓦も少しずつズレていることがよくあります。瓦の浮きやズレを微調整しながら補修することで、仕上がりの精度と耐久性が向上します。 ⑥ 使用する漆喰材は「通気性・密着性・防水性」のバランスを考慮 漆喰にもさまざまな種類があり、気温差が大きい地域や、雨の多い場所では、柔軟性を持たせた配合材を使うことが好まれます。地域特性や屋根の構造に合わせた材料選定が、長持ちする施工につながります。 ⑦ 応急処置の際は「明確に耐用年数を伝える」 今回は応急処置の範囲でしたが、そのまま長年放置すると再劣化の恐れがあります。お客様に「今回の補修の目的と次回の目安時期」を明確に伝えておくことが信頼につながります。 ⑧ 点検時に「他の棟や谷、軒先も目視で確認」 一箇所の漆喰が劣化しているということは、他の部位も同様の劣化が進行している可能性が高いです。限られた時間でも、目視だけでも一通りの診断をしておくと、お客様にとっての安心材料になります。 |
作業工程
漆喰補修
まずは屋根全体を目視で確認し、棟部を中心に漆喰の劣化状態を把握します。この現場では、漆喰が剥がれ落ちており、土が露出した状態でした。放置すれば、雨水の侵入や瓦のずれに繋がるリスクがあるため、早急な補修が必要と判断しました。
次に、劣化した漆喰を手作業で丁寧に撤去します。浮いている部分やヒビが入った箇所を残すと、新しい漆喰がうまく定着せず、施工不良の原因となります。削りすぎず、必要十分な範囲を見極める職人の判断が問われる工程です。
漆喰の除去後、表面に残った細かな粉塵や土をきれいに掃除します。仕上がりの密着性を高めるためにも、下地の状態を整えることが重要です。この一手間で施工後の耐久性が大きく変わります。
下地が整ったら、新しい漆喰を棟の形に合わせて塗り込んでいきます。水の流れを意識しつつ、瓦とのすき間を埋めて防水性を確保。表面が滑らかになるように仕上げ、耐候性と美観の両立を図ります。
漆喰の劣化に伴って、瓦が少しずれていた箇所があったため、位置を元に戻して仮固定を行いました。放置すると瓦の落下や風害の原因になるため、漆喰補修と併せて行うのが望ましい対応です。
補修完了後の棟部分。漆喰がきれいに整い、見た目も改善。
施工完了後は全体の仕上がりを確認し、補修箇所に問題がないかチェックします。白く美しい漆喰が棟瓦のラインに沿って整い、屋根本来の防水性と強度がしっかり回復しました。
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