工事開始後、まずは屋根周りを安全に作業できるように頑丈な足場を組み立てます。
今回の現場は寄棟屋根で勾配もあり、作業動線が多いため、転落防止ネットを併用する安全性の高い足場計画を実施しました。
足場をしっかり組むことで、瓦の撤去作業や防水シートの施工、屋根材の取り付けまで、すべての工程がスムーズに進みます。

既存の瓦を1枚ずつ丁寧に撤去していきます。
写真の通り、下地には土が厚く残っており、昔ながらの土葺き屋根の特徴が見られました。
この土は湿気を溜め込みやすく、雨漏りの原因になるため、すべて撤去しながら下地の傷みを確認します。
撤去と同時に瓦の割れや崩れた漆喰も除去し、屋根全体を素の状態に戻しました。

瓦と土をすべて撤去すると、野地板が表面に出てきます。
今回の現場では、長年の湿気によって野地板に歪みや劣化が見られる部分がありました。
そのため、腐食していた野地板の差し替え・不陸（段差）の調整・補強板の追加を行い、金属屋根材を施工しても歪みが出ないよう下地をしっかり整えます。
この工程が、屋根の耐久性と仕上がりの美しさを左右する非常に重要な作業です。

下地が整った後、屋根全体に**高耐久の防水シート（TAJIMA製ルーフィング）**を張り込んでいきます。
重ね幅や立ち上がり部分の処理を丁寧に行い、雨水が屋内に侵入しないよう、確実な防水ラインを形成します。
特に谷部分や棟周りは雨仕舞いが難しいため、写真のように慎重に張り込み、長期間安心できる防水性能を確保しました。

防水シートの上から、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板屋根材を葺いていきます。
屋根形状に合わせて1枚1枚カットし、専用ビスでしっかり固定。
金属屋根ならではのシャープで美しいラインが通るよう、細かな調整を加えつつ丁寧に施工しました。
ガルバリウム鋼板は耐震性・遮熱性にも優れており、瓦屋根からの大幅な軽量化により建物の負担が軽減します。

施工後の屋根は、美しく引き締まったガルバリウム屋根に生まれ変わりました。
軽くて丈夫な屋根材により耐震性が向上し、さらに最新の防水シートによって雨漏りリスクも大幅に減少しています。
屋根全体が均一に整い、メンテナンス性・耐久性・外観のすべてが向上した仕上がりとなりました。
お客様にも「見違えるほど綺麗になった」と大変ご満足いただけました。