現地調査をしてきました

今回は大阪府守口市八雲北町にある戸建住宅のベランダにて、防水工事に向けた現地調査を実施してきました。朝9時すぎに山田興業の摂津市本社を出発し、車で20分ほどの距離を走り現場へ向かいました。この日は天候にも恵まれ、調査日和となりました。
現場は2階のベランダ部分で、既存の防水層はシート防水と思われる仕上げでしたが、表面の広範囲にわたって色あせ、さらにひび割れや雨染みが複数箇所で確認できました。ベランダ床面には、茶色い雨染みのような汚れが点在しており、場所によっては躯体内部まで雨水が浸入している可能性も考えられます。
また、壁面との取り合い部分にもクラック(ひび割れ)が確認され、防水層の立ち上がり部の劣化も見逃せないポイントです。室外機の下は特に傷みが激しく、湿気がたまりやすい場所であることから、放置すると腐食やコンクリート内部の鉄筋にまで影響を及ぼしかねない状況でした。
現地では、お客様にも立ち会っていただき、現状のご説明を行いながら問題箇所をひとつひとつご確認いただきました。「最近、雨の後にベランダに水がたまるようになってきた」というお話もあり、排水不良の可能性も含めた再防水工事の必要性が高いと判断いたしました。
今回の現地調査結果をもとに、ウレタン防水密着工法または通気緩衝工法のご提案を検討しています。特に下地の状態によっては、しっかりと乾燥させてから施工する必要があるため、工程管理を慎重に行う必要があります。
劣化の進行が確認されたベランダ床の状態とは?

今回調査した守口市八雲北町のお宅では、築年数が20年以上経過していることもあり、ベランダの防水層はすでに寿命を迎えている状態でした。写真にもあるように、床面のあちこちに雨染みと黒ずみが広がり、塗膜の浮きや剥がれ、全体的な色褪せが確認できます。表層がここまで劣化しているということは、防水機能がほとんど残っていないことを意味します。
特に気になったのは、室外機の下や壁際など水分が滞留しやすい箇所に広がる茶色い汚れです。これは表面の汚れだけでなく、水分がコンクリートの内部にまで浸透し、鉄筋の腐食を引き起こしている可能性があります。こうなるとベランダ全体の耐久性が落ちるため、早急な防水処理が必要です。
また、既存の勾配(傾斜)が不十分であることもわかりました。雨水がうまく排水されず、ベランダに滞留してしまう原因となっています。これは、過去の施工時に正しく勾配処理がされていなかった可能性や、経年によって下地が変形してしまったことが原因として考えられます。
このような状態では、ただ上からウレタンを塗り重ねるだけでは不十分です。下地の状態をしっかり整えることが、防水性能の回復には不可欠です。特にひび割れがある箇所には、補修材での下地処理を行い、防水材の密着性を高める必要があります。
防水層の不具合が引き起こす建物への影響とは?
ベランダの防水層が劣化したまま放置されると、建物全体にさまざまな悪影響を及ぼします。まず第一に、雨水がベランダ内部に浸透することで、コンクリートの中の鉄筋が酸化し、いわゆる「爆裂現象」を起こすリスクがあります。これは鉄筋が膨張することでコンクリートが割れ、建物の強度そのものが低下するという非常に深刻な症状です。
また、ベランダ下の天井部分に雨染みが発生し、室内への漏水につながる可能性もあります。室内のクロスやフローリングが傷むだけでなく、カビの発生や構造材の腐食といった二次被害にもつながりやすく、健康被害の原因になることもあります。
とくに、今回のお宅のようにエアコン室外機がベランダに設置されている場合、電気機器との接触による漏電やショートなど、安全面でも非常に危険な状態となる恐れがあります。
さらに、見えない部分で雨水が木材や断熱材にまで浸透していた場合、シロアリの被害に繋がるリスクもあります。一見ベランダだけの問題に見えても、実は建物全体の寿命に直結する重大なサインであることを、改めてお伝えしておきたいと思います。
ベランダ防水工事で採用すべき工法と注意点
今回のようなケースでは、既存の防水層が劣化しているため、撤去せずに上から重ね塗りする「ウレタン防水密着工法」ではなく、「ウレタン防水通気緩衝工法」が有効と考えられます。これは、下地の湿気を逃がしながら施工できる工法で、既存下地が劣化している場合でも防水性能を長期間維持できるメリットがあります。
この工法では、まず防水層の下地をしっかり清掃・乾燥させたうえで、通気シートを貼り、その上からプライマー、ウレタン防水材を複数回に分けて塗布します。最後にトップコートを施すことで、紫外線から防水層を保護し、長期間の耐久性を確保します。
注意点としては、湿度が高い日や雨が続く時期は施工を避ける必要があるという点です。ウレタン防水材は水分と反応して硬化が不十分になるため、天候を見ながら適切な施工タイミングを見極める必要があります。
また、排水ドレン周辺には水たまりができやすいため、施工後の勾配確認も徹底します。室外機の持ち上げや移動、設置位置の微調整なども行いながら、施工の障害となる要因をしっかり除去して進めていきます。
現地調査を経て今後どのような提案を行っていくか
今回の現地調査を踏まえ、山田興業としては「ウレタン防水通気緩衝工法」によるベランダ全面の再防水を基本提案といたします。加えて、勾配調整モルタルの施工や、排水ドレンの清掃・交換もオプションとしてご提案する予定です。
また、将来的なメンテナンス性を考え、トップコートの塗り替え時期や、年1回の定期点検プランについても併せてご説明させていただきます。定期的に点検を実施することで、今後の大きな不具合を未然に防ぎ、トータルコストの削減にも繋がります。
さらに、外壁との取り合い部分にクラックが見られたことから、必要に応じて部分的なシーリング補修や外壁塗装とのセットプランも視野に入れています。ベランダと外壁はセットで施工することで、防水効果と美観を同時に高めることが可能です。
お客様からも「ここまで丁寧に見てくれて安心できた」とお声をいただき、弊社としてもご信頼に応えられるよう、わかりやすい見積もりと工程説明を準備中です。今後もアフターフォローを含めた長期的なお付き合いを前提に、最適な施工プランをご提案させていただきます。
まとめ
守口市八雲北町で行った今回のベランダ現地調査では、防水層の深刻な劣化と雨水の浸透、さらに構造上の排水不良も確認されました。ウレタン防水通気緩衝工法による再施工が必要であり、放置すれば建物全体に被害が拡大する恐れもあります。山田興業では丁寧な調査と適切な提案を通じて、お客様の大切な住まいを長く守るサポートをしてまいります。
よくある質問
Q1. ベランダ防水は何年ごとに必要ですか?
→ 一般的には10年〜15年ごとに再施工が推奨されますが、環境や使用状況により前後します。
Q2. 工事期間はどのくらいですか?
→ 通気緩衝工法の場合、通常3日〜5日程度で完了します。
Q3. 室外機の移動は必要ですか?
→ はい。施工の妨げになるため一時的な移動が必要ですが、弊社で対応可能です。
Q4. 雨が降っても工事できますか?
→ 基本的に防水工事は乾燥が必要なため、雨天時は延期となります。
Q5. 点検や保証はありますか?
→ 施工後は1年ごとの点検、最大10年の保証をお付けしております。
今回の工事に関するコツ
ベランダ防水工事を成功させるための最大のコツは、施工前の下地調査と補修処理にあります。どれだけ高品質な防水材を使っても、下地に不具合があるままではその効果を十分に発揮できません。とくにウレタン防水では下地の乾燥が命とも言えるため、天候や湿度の確認、施工時期の選定が非常に重要です。
また、施工後のメンテナンス体制も見逃せません。防水層は紫外線や気温の変化で徐々に劣化していきますので、5年〜7年を目安にトップコートの塗り替えを行うことで防水機能を長持ちさせることができます。弊社では年1回の点検も行っておりますので、定期的なチェックを欠かさないことが長期維持のポイントです。
もう一つのコツは「排水経路の確保」です。いくら防水層が完璧でも、水が流れなければ意味がありません。勾配の調整やドレン周辺の清掃は見落とされがちですが、ここを押さえることで漏水リスクを大幅に軽減できます。
防水工事は「見えない部分」が命です。信頼できる業者に依頼し、丁寧な現地調査と適切な工法選定を行うことが、後悔しないリフォームへの第一歩です。













