現地調査をしてきました

今回は大阪府高槻市藤の里町にあるアパートのオーナー様から「ベランダから雨漏りがしているようだ」とのご相談を受け、現地調査に伺いました。現場までは会社の軽トラックで向かい、途中で高槻市の名神高速道路沿いを通過するときには「このあたりも古いアパートが多いな」と思いながら、施工経験が活かせそうな予感に少しワクワクした気持ちもありました。
調査対象となったのは、2階建てアパートの2階部分にあるベランダです。現場に到着し、まず目に飛び込んできたのはベランダ床の広範囲にわたる防水層の劣化。コンクリート下地が露出しており、クラック(ひび割れ)も複数確認できました。さらに、壁際にある排水溝付近は水染みのような跡が目立っており、雨水がスムーズに排水されていない可能性も疑われます。
外壁側には塗膜の剥がれも数カ所で見受けられ、この部分からも微細な浸水が起こっている可能性がありそうです。また、配管まわりのモルタルに亀裂が入り隙間ができており、ここも漏水の経路となっていることが考えられます。
調査結果をもとに、今回はベランダ床のウレタン防水再施工、排水口まわりの補修、外壁の部分補修・塗装を提案いたしました。オーナー様も「思っていた以上に劣化が進んでいるので、早めに対応したい」と前向きなお返事をいただきました。
雨漏りの主な原因はベランダの防水層の劣化でした

今回の現場で最も顕著だったのは、ベランダ床の防水層が完全に機能していなかった点です。写真でも確認できるように、防水層が剥がれ落ち、コンクリートの下地がむき出しになっていました。この状態では、雨が降るたびに水が染み込み、構造体内部にまで浸水するリスクが非常に高いです。
特に排水溝まわりには汚れが溜まりやすく、水の流れが悪くなることで滞留し、じわじわと防水層の劣化が進行していきます。また、床面の勾配が適切でない場合、水が一点に集中し、防水材が耐えられなくなる原因にもなります。
長年使用されてきたアパートにおいては、防水層の経年劣化は避けられない問題です。一般的にウレタン防水は10~12年が寿命と言われており、それを超えてくると今回のように素地が露出し、クラックが多数発生するようになります。
雨漏りを放置しておくと、天井や壁内の木材や断熱材が腐食したり、カビが発生するなど、居住環境の悪化や建物全体の耐久性低下につながるため、早期の対策が重要です。今回のような状態では、防水層の「部分補修」では不十分なため、全面的な再施工をご提案する運びとなりました。
外壁の塗膜剥離とモルタル亀裂が建物の劣化を加速させる

ベランダとあわせて注視すべきだったのが、外壁の一部に見られた塗膜の剥がれです。塗膜が部分的に浮いてはがれた状態が複数箇所で見受けられました。これは、紫外線や風雨によって塗膜が劣化し、保護機能を失った結果です。
このような状態になると、壁材そのものが水を吸収しやすくなり、内部に雨水が浸透しやすくなります。その結果、躯体内部で錆や腐食が進行し、建物の耐久性が大幅に低下してしまいます。
また、配管周囲のモルタルのひび割れは、地震や微細な地盤の動きによるものと推測されます。こうした細かい亀裂も、雨水が浸入する大きな入口になっており、見過ごしてしまうと数年後に大きな雨漏りにつながる恐れがあります。
今回の現場では、この外壁の塗膜の再塗装と、ひび割れ部分へのシーリング充填・補修も同時に施工することで、雨漏りの根本対策として機能するよう設計しました。外壁の劣化も雨漏り同様に、予防保全が最も大切です。
今後の工事では防水性と耐久性を両立した施工が求められます
調査結果を踏まえ、今回ご提案するのは「ウレタン防水密着工法によるベランダ全面防水」「排水溝の清掃と再勾配調整」「外壁の部分補修と再塗装」「配管まわりのシーリング処理」という4点です。
ウレタン防水は、液状の防水材を塗布して形成するため、複雑な形状のベランダにも対応可能で、継ぎ目がなく雨水が浸入しにくい仕上がりになります。特にアパートのような複数の居室にまたがるベランダでは、施工の自由度が高く、メンテナンス性にも優れています。
また、排水口付近の勾配をしっかり調整することで、水が溜まりにくい構造に改善。これにより、再度の防水層劣化を抑制することができます。外壁に関しても、部分的に高耐候性塗料を用いた補修を行うことで、既存の色調に合わせつつ耐久性を確保するよう配慮いたします。
お客様からは「雨漏りの心配がなくなるだけでも助かるし、外観もきれいになるなら一石二鳥ですね」と嬉しいお言葉をいただきました。安心して長く使えるアパートにするためにも、耐久性を重視した施工をご提供していきます。
まとめ
高槻市藤の里町でのアパート現地調査では、ベランダの防水層と外壁に複数の劣化箇所が確認され、雨漏りの発生源が明らかになりました。今後はウレタン防水による全面改修と外壁補修を実施することで、再発防止を図ります。アパート管理においては、定期的な防水点検と外壁調査が欠かせません。山田興業では、こうした現地調査から施工・アフターまで一貫対応いたします。
よくある質問
Q1. ベランダの防水は何年くらいもちますか?
A. ウレタン防水であれば約10~12年が目安です。5年経過後から定期点検をおすすめします。
Q2. 雨漏りがしてからの対応では遅いですか?
A. 雨漏りが発生してからでは、すでに内部が腐食している可能性があります。早めの調査が重要です。
Q3. 防水工事中は入居者に影響がありますか?
A. 工事内容によりますが、においや騒音が発生する場合があります。事前に周知して対応いたします。
今回の工事に関するコツ
今回のようなアパートのベランダ防水工事で重要なのは、「劣化の程度を見極める目」と「適切な工法の選定」です。まず、見た目に軽微なひび割れでも、その下で防水層が破断しているケースがあります。そのため、表面だけで判断せず、床下の浸水跡や壁面の変色も含めて総合的に診断することが大切です。
次に、ウレタン防水を採用する際のコツとしては、下地処理をどこまで丁寧に行うかが仕上がりを大きく左右します。旧塗膜の完全な撤去、クラックの補修、プライマーの確実な塗布が必須です。ここをおろそかにすると、せっかくの防水層も数年で浮きや剥がれが生じてしまいます。
排水溝周りは特に要注意ポイントで、ここに土砂やゴミが溜まると雨水が溜まりやすくなり、結果として防水層へのダメージが集中します。排水口の勾配確認と清掃もセットで行いましょう。
また、アパートの場合は複数の入居者が生活しているため、工事時期の調整や注意喚起も大切です。事前に掲示物を出したり、張り紙でスケジュールを明示しておくことで、クレームを防ぐことができます。
山田興業では、これらのコツを現場経験豊富な職人が一つひとつ丁寧に実践しておりますので、安心してお任せいただけます。













